雁行[語句情報] » 雁行

「雁行〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

雁行の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
恐しき通夜」より 著者:海野十三
なもので、イヤ壮快すぎて、物凄いと云った方が当っているくらいだった。いつも三機|雁行の、その先登に立っていた司令機内のこの儂は、反射凸面鏡の中に写る僚機の、殺気....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
、戦闘機は二千五百メートルの高度、他はいずれも二千メートルの高度をとり、各隊毎に雁行形の編隊を以て、東北東に向け飛行中なり。終り」 「うむ、御苦労」参謀長は、伝....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
今に織部流の茶道をも花道をも織部好みの建築や器物の意匠をも遺して居る人で、利休に雁行すべき侘道の大宗匠であり、利休より一段簡略な、侘に徹した人である。氏郷の其の....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
気で……」 その男もまた、負けない気で足に馬力をかけました。 二人は、ついに雁行《がんこう》して歩き出してしまいました。 七兵衛は、妙な奴だと思うから別に....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
》いても感謝しなければならぬ、という念慮が動いてくるのも自然です。 その自然と雁行《がんこう》して、この芸妓が、この暗いなかで気がついたのは、現に介抱してくれ....
丹下左膳」より 著者:林不忘
ような与の公と、お閻魔《えんま》さまの蒲生泰軒とが、ぶらりぶらりと野中の一本道を雁行《がんこう》していくのだ。 小金井をたって下石橋、二里半の道で宇都宮……大....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
の時間がなくなりました。 ひどい音がして飛行機がとびます。出てみたら美しい形で雁行して居ります。低いところに雲があるので、見えつかくれつしながら。形の静かな優....
さまよえるユダヤ人の手記より」より 著者:寺田寅彦
のかが分らないのと同様である。それで扇の動き方でその日の暑さを知ったというのは、雁行の乱るるを見て伏兵を知った名将と同等以上であるのかもしれない。しかしおそらく....
生死卍巴」より 著者:国枝史郎
業ではあったけれども、何とその所作が敏捷で、かつ自在であることか! と、一団が雁行をなした。馬の首が前方を走っているところの、他の馬の尻に触れそうなほどにも、....
空中に消えた兵曹」より 著者:田中貢太郎
やすめるひまもなく、直ちに帰還の途についた。 両機は一千|米の高度を保ちながら雁行していたが、箱根の上空にさしかかったところで、密雲のために視界を遮られたうえ....
魔像」より 著者:林不忘
だ。 そして、魚心堂が尾行《びこう》している。 こうして二梃の駕籠と魚心堂が雁行《がんこう》の形に急いでいるその源助町……。 無形一刀流、神保造酒の道場で....
つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
のである。が、自分が二人の岡っ引きに尾行されているとは知らない。 三つの尾行の雁行《がんこう》がはじまった。 守人は銀二郎のあとを、文次と安は守人のあとをつ....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
河岸っ縁、うっかりすると飛ばされそうになるのを、意地も見得も荒風に這わんばかりの雁行を続けて行くことになったのだ。 真夜中。人通りはない。礫《つぶて》のような....
黄灯」より 著者:田中貢太郎
って嬉しかった。 きつい坂をおりかけてから二人の話は止んだ。主翁は書生の右側を雁行して歩いていた。寺の門口にある赤松の幹に電燈の燈が依然として懸っていた。坂の....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
来る。 来る。 点々と、 団々と、 騒々と、 簇々と、 先駆し、雁行し、競走し、 密集し、乱擾し、軋轢し、潜航し、 跳躍し、 跳躍し、 ....