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雁金
「雁金〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
雁金の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
眺め見ることはせず、理想なるものを持たず、ただその日その日を甲斐々々しく働いた。
雁金《かりがね》が寒く来鳴き、新治《にいばり》の鳥羽の淡海も秋風に白浪立つ頃とも....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
しく聞えた。 もとの座敷へ帰ってくると、いつの間にか其処には寝床が延べられて、
雁金を繍った真っ白な蚊帳が涼しそうに吊ってあった。このあいだの女がまた何処からか....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
長との仲にも困ったもんだネ」 と、僕の背後で太い銅間声をあげたのは、次席検事の
雁金浩三氏だった。 「全くですよ。市議の方も、今度は足並が揃っていませんがあれで....
「麻雀殺人事件」より 著者:海野十三
がはじまることとなった。帆村探偵は、松山たちの動静につき、その夜見ていたままを、
雁金検事と、河口捜査課長とに説明した。それはこの物語の最初にのべたとおりのことで....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
まま回避線へひっぱり込まれ、警視庁からは大江山捜査課長一行が到着し、検事局からは
雁金検事の顔も見え、係官の揃うのを待ち、電車をそのまま調室にして取調べが始まった....
「赤外線男」より 著者:海野十三
場所が場所であるし、赤外線男の噂さの高い折柄でもあったので、直ちに幾野捜査課長、
雁金検事、中河予審判事等、係官一行が急行した。 取調べの結果、判明した被害は、....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
の卓子を占領していたのは大江山捜査課長をはじめ、手練の部下の一団に、それに特別に
雁金検事も加わっていた。いずれも制服や帯剣を捨てて、瀟洒たる服装に客たちの目を眩....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
せめて長谷戸検事のような人物とのコンビが解かれ、若いとき自分を引廻してくれたあの
雁金検事のような人と仕事をしたいものだ。そうすれば、今の自分ならてきぱきと超人的....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
の端に、掛稲を楯にして、戻道で、そっと立って視めていた。そこには昼の月があって、
雁金のように(その水色の袖を圧う)その袖に影が映った。影が、結んだ玉ずさのように....
「人造人間事件」より 著者:海野十三
車のエンジンが高らかに響いて、帆村のいう所謂国際連盟委員がドヤドヤと入ってきた。
雁金検事、丘予審判事、大江山捜査課長、帯広警部をはじめ多数の係官一行の顔がすっか....
「流線間諜」より 著者:海野十三
係のない極く普通の燐寸としか考えられないがね」と大江山捜査課長は首を振って「ねえ
雁金さん。そうじゃありませんか」と、事件を主査している
雁金検事の同意を求めた。 ....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
すけれども、私あ今日も、つい近間で見て驚きました。 苦労も道楽もしたろうのに、
雁金額の生際が、一厘だって抜上がっていませんやね、ねえ。 やっぱり入髪なしを水....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
りそうな白玉椿の清らかに優しい片頬を、水紅色の絹|半※でおさえたが、且は桔梗紫に
雁金を銀で刺繍した半襟で、妙齢の髪の艶に月の影の冴えを見せ、うつむき加減の頤の雪....
「丸の内」より 著者:高浜虚子
見む人や誰 天の川霧たちわたり彦星のかぢの音聞ゆ夜の更け行けば 今朝啼きて行きし
雁金寒みかもこの野のあさぢ色づきにける あが宿の秋萩のへに置く露のいちじろしくも....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
を桜痴居士が改作した「相馬平氏二代譚」を一番目に据えて、そのほかに「道成寺」と「
雁金文七」という列べ方であった。俳優は団十郎を座頭として、その一門の権十郎、寿美....