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「雄健〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

雄健の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
コンラッドの描きたる自然について」より 著者:夏目漱石
叙したものとしては、いかにも幼稚で、できが悪い。しかし航海の描写としては例の通り雄健蒼勁《ゆうけんそうけい》の極を尽したものである。だから、余の希望から云うと、....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
、海を越して渡って来ました。その中の十三頭が種馬として信州へ移されたのです。気象雄健なアルゼリイ種の馬匹が南佐久の奥へ入りましたのは、この時のことで。今日一口に....
法窓夜話」より 著者:穂積陳重
た。しかるに原案が一たび起草委員会で定まり、委員総会に提出せられると、同君はその雄健なる弁舌をもってこれに対する攻撃を反駁し、修正に対しても、一々これを弁解して....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
。 大和の奈良の春日山の神鹿の祖、ここに数千の野生の、しかも柔順な、その頭には雄健なる角をいただいて、その衣裳にはなだらかな模様を有し、その眼には豊富なるうる....
源氏物語」より 著者:紫式部
めになるのは困難なようである。例の四季を描いた絵も、大家がよい題材を選んで筆力も雄健に描き流した物は価値が高いように見えるが、今度は皆紙絵であるから、山水画の豊....
源氏物語」より 著者:紫式部
な、澄んだ調子のものがあるかと思うと、また全然変わった奇岩の立った風景に相応した雄健な仮名の書かれてある片もあるというような蘆手であった。 「驚いたものですね。....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
キビキビした多少ラッフなものへの感覚を呼び醒まされた。それが次期の私の中学時代の雄健主義へのキッカケになったのである。 私は安子と話すと弾力のある毬か何かに触....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
の筆写であっても)失明の翌年の天保五年秋と明記した自筆の識語を見ても解る。筆力が雄健で毫も窘渋の痕が見えないのは右眼の失明が何ら累をなさなかったのであろう。 ....
郷愁の詩人 与謝蕪村」より 著者:萩原朔太郎
ているのである。日本の文学で、比較的漢詩の本質的風格を学んだ者は、上古に万葉集の雄健な歌があり、近世に蕪村の俳句があるのみである。 女|倶《ぐ》して内裏《だいり....