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「雄渾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

雄渾の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
蘭学事始」より 著者:菊池寛
もりでござる」 玄白は、良沢の志をきいて、心から恥じずにはおられなかった。その雄渾な志をきいて、心から恥じずにはおられなかった。彼はこれを自分に対するありがた....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
たいのか。奴隷制度の昔に起源する一種の本能に過ぎないのではないか。 道教思想の雄渾なところは、その後続いて起こった種々の運動を支配したその力にも見られるが、そ....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
、二川様に、お家様、定家様、唐様等を加味したらしい雅順なものである。舞台上の翁の雄渾豪壮な風格はミジンも認められないが、恐らく翁の本性をあらわしたものであろう。....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
いのである。共通せる病人のせいかも知れない。 大金持の土蔵であるから、実に壮大雄渾な大土蔵で、花川戸の蔵吉という土蔵造りの名人が、九年かかって仕上げたという国....
北斎と幽霊」より 著者:国枝史郎
主の依頼によってほんの席画の心持ちで融川は布へ筆を揮った。童子採柿の図柄である。雄渾の筆法閑素の構図。意外に上出来なところから融川は得意で北斎にいった。 「中島....
次郎物語」より 著者:下村湖人
みに草稿に眼を走らせることができたであろうし、またしたがってかれの演説はいっそう雄渾であることができたかもしれなかったのである。 かれは最後に、草稿をにぎった....
フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
しくはあるがまた怖ろしいあらしを見守りながら、重たい足どりでさまよった。この空の雄渾な戦いは、私の精神を高めた。私は手を打って大声で叫んだ、「ウィリアム、かわい....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
て得体の知れない製品に打ちこんできた情熱というものは、ドンキホーテの生涯に通じる雄渾な悲哀があってアダオロソカにはできないものがあるようだ。 あるときイエメン....
地上」より 著者:島田清次郎
いた。右手の新しい赤煉瓦の会堂の、青空に聳える渋紅い尖塔、大理石の石柱の重厚さと雄渾さ、窓の色硝子に映る日光のゆらぎの美しさ。緩やかな坂路が門から伸びているその....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
魂の無い人間は空蝉の抜殻です。僕達はこの時代の軟弱な風潮に反抗するんです。そして雄渾な本当の日本の「こころ」を取戻そうと思うんです。僕達があんな下らない「恋歌」....
美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
万年に亘るエジプト文化が生んだ所謂「死の書」の宗教に伴って、王と奴隷とを表現する雄渾単一な厖大な美の形式であり、今日でもその王は傲然として美の世界に君臨し、その....
三人の師」より 著者:上村松園
必要とするところは筆を三本も四本もならべて握りそれで刷毛の用をなされたのである。雄渾な筆致で、お描きになっていられるところを拝見していると、こちらの手先にまで力....
平ヶ岳登攀記」より 著者:高頭仁兵衛
めることが出来るそうである、この山上の大観は吾が北越の諸山に比較すると、飯豊山の雄渾豪壮に対しては少しく遜色があるが、有名な苗場山とは正に伯仲の間にあるものであ....
想い出」より 著者:上村松園
の『左伝』の御講義の日など、非常に楽しみでございました。 松年先生の渋い、筆力雄渾の画風から、楳嶺先生の柔らかい派手な濃麗華麗な画風に移りまして、その間に挟ま....
扉の彼方へ」より 著者:岡本かの子
なところを結構とする私のこころはこうでありました。若し、秀抜な山のたたずまいや、雄渾な波濤の海を眺めやったなら、それを讃嘆する心の興奮に伴って、さすがに埋め尽し....