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「雄蕊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

雄蕊の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
モルグ街の殺人事件」より 著者:佐々木直次郎
。なにしろ、実際、わが友人の総監は少々ずるすぎて考え深くないからね。彼の知恵には雄蕊がないのだ。女神ラヴェルナの絵みたいに、頭ばかりで胴がない。――あるいは、せ....
天主閣の音」より 著者:国枝史郎
部狭隘、辺縁に鋸歯状の刻裂がある。四枚の花弁と四個の萼、花冠は大きく花梗は長い。雄蕊は無数で雌蕊は一本、花弁散って殼果を残し、果は数室に分かれている室には無数の....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
は、岩魚の皮膚のような、薄紅の曇りが潮し、花柱を取り巻いた五裂した花冠が、十個の雄蕊を抱き合うようにして漏斗の鉢のように開いている。しかもその花は、一つのこずえ....
高原」より 著者:寺田寅彦
その中に王冠の形をした環状の台座のようなものがあり、周囲には純白で波形に屈曲した雄蕊が乱立している。およそ最も高貴な蘭科植物の花などよりも更に遥かに高貴な相貌風....
」より 著者:豊島与志雄
しむ。或はまた、大きな花を取ってきて、その真白の花弁を一つ一つむしり取り、黄色い雄蕊雌蕊を中にのせ、宝を積んだ舟として、橋の上から川の真中に、幾つも幾つも流し浮....
だいこん」より 著者:久生十蘭
き》色の下着が、花弁のように四方へ垂れさがった中心から、薄卵色の靴下をはいた足が雄蕊のようにのびあがって、ちょうど大きな胡蝶蘭《カトレヤ》の花が咲きだしたようだ....
植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
い頂に多くの花が聚って繖形をなし、花は白色で香気を放ち、狭い六花蓋片がある。六|雄蕊《ゆうずい》一子房があってその白色花柱の先端は紅紫色を呈する。花後に円実を結....
植物知識」より 著者:牧野富太郎
は現《あらわ》れなかったであろう。そしてその花形《かけい》、花色《かしょく》、雌雄蕊《しゆうずい》の機能は種子を作る花の構《かま》えであり、花の天から受け得た役....
それから」より 著者:夏目漱石
落ちている。代助は曲《こご》んで、花の中を覗《のぞ》き込んだ。やがて、ひょろ長い雄蕊《ゆうずい》の頂きから、花粉を取って、雌蕊《しずい》の先へ持って来て、丹念に....