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「雅号〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

雅号の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
河明り」より 著者:岡本かの子
の人であったかのようにも思ったからである。 私が少女時代、文学雑誌に紫苑という雅号で、しきりに詩を発表していた文人があった。その詩はすこぶるセンチメンタルなも....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
くなって、忙しい閑をぬすんで所々の句会へも出席する。自宅でも句会をひらく。俳句の雅号を金華と称して、あっぱれの宗匠顔をしているのである。 梅沢君は四、五年前に....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
として、詩人として、最も有名であるのは元好問でありましょう。彼は本名よりも、その雅号の元遺山をもって知られて居ります。前に『夷堅志』が紹介された関係上、ここでは....
明治十年前後」より 著者:淡島寒月
を創設した。それは非常に時流に投じたものであった。つづいて前田夏繁が、香雪という雅号で、つづきものを、『やまと新聞』のはじめに盛んに書き出した。 その頃は作者....
端午節」より 著者:井上紅梅
はお惣菜を眺めてそう言った。 新教育を受けたことのない奥さんには学名もなければ雅号もなかった。だから別に何と言いようもなかった。旧例に拠れば「夫人」と呼んでい....
鴛鴦鏡」より 著者:岡本綺堂
坡君じゃないか。」 そう言われて、わたしも気がついた。彼は町の煙草屋の息子で、雅号を冬坡という青年であるらしかった。冬坡もわれわれの俳句仲間であるが、今夜の句....
西瓜」より 著者:岡本綺堂
だも話した通り、僕の家の六代前の主人は享保から宝暦のころに生きていたのだそうで、雅号を杏雨といって俳句などもやったらしい。その杏雨が何くれとなく書きあつめて置い....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
です。まさに、あの殺人鬼の幻想的な遊戯なんですよ。しかし、これに海人藻芥(犬射の雅号)という署名はないにしても、いずれは、誰かの雅号となって、現われずにはいます....
人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
が、まもなくこの一孤島に、不思議な囚人が訪れることになった。 と云うのは探鯨の雅号が、無束というのでも分るように、彼にはまた、通人的な半面があって、ことに俳優....
魚妖」より 著者:岡本綺堂
る。 上野の輪王寺宮に仕えている儒者に、鈴木一郎という人があった。名乗は秀実、雅号は有年といって、文学の素養もふかく、馬琴とも親しく交際していた。 天保三、....
画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
生が学校を退かれたので、私も学校を止め、松年塾で学ぶようになりました。松園という雅号は、その頃、松年先生からいただいたものです。その後、幸野楳嶺先生に師事し、先....
雷同性に富む現代女流画家」より 著者:上村松園
も自己に資料を求めるというような真摯な態度は少しもありません。それが絵のみならず雅号のようなものからしてそうなのであります。たとえば私が松園といえば、東京にも大....
棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
松園という雅号は鈴木松年先生が、先生の松の一字をとって下さったのと、絵を学びはじめたころ、....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
が言い出したのか知らないが、かれは二銭団洲と呼ばれるようになった。団洲は団十郎の雅号で、つまりは入場料二銭の劇場の団十郎という意味である。たとい二銭でも、団洲と....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
が青年の理想であった時代であったから、天下の最高学府の出身者が春廼舎朧という粋な雅号で戯作の真似をするというは弁護士の娘が女優になったり、華族の冷飯がキネマの興....