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「雅味〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

雅味の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
たようです。伏見の饅頭人形などは取分けて面白いと思います。伊勢の生子人形も古風で雅味があります。庄内の小芥子人形は遠い土地だけに余り世間に知られていないようです....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
た時の慣用語であった。 おお魔王、血吸鬼、しかし何んと瀟洒とした、しかし何んと雅味を持った、茶人のような血吸鬼であろう! 甲府よ、お前は呪われている! 悪病....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
水飴と砂糖と醤油でカラカラに煮上げて、十匹ぐらいずつ食膳に供する。何ともいえない雅味のある小皿ものであった。 また俎板に残った臓腑は白子、真子を一々串の尖端で....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
、浮彫につまみ上り、低い裂け目には暗い影が漂っている。全体としては、素焼の陶器の雅味である。富士が小さく見えるのもこれだ。表裏に廻り、左右から見直しても、「あな....
楢重雑筆」より 著者:小出楢重
の音は騒々しい嫌な音響でありますが、狸がこの音を真似ると、聞き手は何ともいえない雅味を感じるのです。狸の個性の現れだろうと思います。狸自身も真似る興趣というもの....
油絵新技法」より 著者:小出楢重
の音は騒々しい嫌な音響でありますが、狸がこの音を真似ると、聞き手は何ともいえない雅味を感じるのです。狸の個性の現れだろうと思います。狸自身も真似る興趣というもの....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
ていると思う。 だから、この尖端的な世界にあっては、恋愛でも油絵でもが、少量の雅味と滋味を断然排斥して清潔に光沢をつけ、観衆を集め、然る後用事がすめばさっさと....
魔味洗心」より 著者:佐藤垢石
たしに煮あげるのを絶品といいたい。 蒸し焼きもよい、フライも結構、味噌田楽にも雅味がある。 関西では、四国の吉野川の山女魚が随一であるという。伊予と土佐の山....
姫柚子の讃」より 著者:佐藤垢石
溢れて、過ぎし日を偲ぶよすがもなかった。膳にのった肴も羮も徒らに都の風をまねて、雅味など思うべくもない。 けれど、海は変わらぬ趣であった。白泡がしぶき立つ渚に....
大切な雰囲気」より 著者:石井柏亭
ことを論じては「それは手術室の如く埃と黴菌を絶滅し、エナメルを塗り立てて、渋味、雅味、垢、古色、仙骨をアルコオルで洗い清め、常に鋭く光沢を保たしめねばならない。....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
て居ります。 その場所は恐らく風流心のないチベット国人が拵えた場所としては実に雅味のある所で、私は三大寺共に見ましたが、この法林道場ほど風雅な景色に富んで居る....
残肴の処理」より 著者:北大路魯山人
、このようなことに無頓着であってはならない。 堀川牛蒡というものは、茶味があり雅味がある。その上、口の中にカスが残らないという特徴をもっている。見かけが素人好....
料理と食器」より 著者:北大路魯山人
爛たる色彩と外観の偉容と、西洋食器の白色一点ばりの清浄主義と、日本食器の内容的な雅味とは、それぞれの料理の特徴を示すばかりでなく、お国ぶりまでも窺わせてくれる。....
良寛様の書」より 著者:北大路魯山人
事となっている。されば、お体裁のいかんにかかわらず、日本人の芸術には魅力があり、雅味があり、品調が高い、が特色である。 書道も唐以前はしばらくおき、その以後な....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
けのした体である。こうした記録的紀行は書きたくないのだが、いったい真岡という街が雅味のない街だったのだ。此処の駅を出てしまったら、何とか筆はかわるだろう。ここま....