集約[語句情報] »
集約
「集約〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
集約の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
なるか。芸術は愛の可及的純粋な表現である。そして恋愛は人間の他の行為に勝って愛の
集約的な、そして全体的な作用であるからだ。 × 試みに没我的愛....
「自然界の縞模様」より 著者:寺田寅彦
ではないかと想像させる。水流の場合には一般に流線の広がる時に擾乱が起こるが流線が
集約する時にはそれが整斉される、あれと似たことがありはしないかとも考えられる。こ....
「空想日録」より 著者:寺田寅彦
が始まるのである。白熊は、自分の毛皮から放射する光線が遠方のカメラのレンズの中に
集約されて感光フィルムの上に隠像の記録を作っていることなどは夢にも知らないで、罪....
「科学論」より 著者:戸坂潤
イギリス工業の発達と共に、資本主義は農業においても鞏固化された。粗笨な経営は漸次
集約的形態に代えられた。改良された耕作方法、農業へ機械の採用を宣伝し、農業用家畜....
「イデオロギーの論理学」より 著者:戸坂潤
も吾々の理論の連鎖の上では無用である。――さて今此等一切の存在を社会的存在として
集約して見よう。そうすれば論理が終局的に社会的存在に依存するということに何の不思....
「イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
なものが吾々の社会心理学に於ける社会心――一定性格――の下に統一される。こうして
集約され統一された限りの大衆の意識形態が、階級意識というイデオロギー――意識形態....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
的体系は大義名分思想には必要でなかった。ここではただ忠君愛国の四字に凡ての思想は
集約される。だが軍部のイデオロギーがここまで
集約されるには随分色々の経歴を有って....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
時、発生する。之は弁証法が思惟と存在との間に成立するということの消極的の夫にまで
集約したものであった限り、茲に踏み止まらねばならないのは当然であった。 思惟か....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
一定のテーマの下に具体化された――世界観(文学者は之を「世界」と呼んでいるが)に
集約する処に、創作方法が成立するのである。科学乃至哲学に於ては、之に反して、世界....
「認識論とは何か」より 著者:戸坂潤
実の結論的効果であり、夫が理想主義やユートピヤのものでない限り、現実の集中的な、
集約的な、焦点的な、表現である。丁度政治が経済関係の集中的表現であるのと同じ理屈....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
整理し始めなければならなくなった。一切の愛国的反動イデオロギーは、今や日本主義に
集約され、やがて皇道主義に要約されるようになった。――処がそこに所謂機関説排撃が....
「颱風雑俎」より 著者:寺田寅彦
あるいは折れ摧けていた。これは伊那盆地から松本|平へ吹き抜ける風の流線がこの谷に
集約され、従って異常な高速度を生じたためと思われた。こんな谷の斜面の突端にでも建....
「作家的思想」より 著者:豊島与志雄
まったのである。――これがドストエーフスキーの作品の基調をなす。彼の多くの作品が
集約的に構成されてること、その事件が陰惨なこと、その人物が異常なこと、その心理の....
「死刑囚最後の日解説」より 著者:豊島与志雄
の現実的な苦悶が、熱情をもって叙述されている。そしてすべてが、死刑廃止の主張へと
集約される。 なお、これに類する作品をユーゴーはいくつも書いているが、それらの....
「肝臓先生」より 著者:坂口安吾
二年末から現在まで、二千例あるいはそれ以上かような患者を扱ったのですが、これらを
集約して、私は流行性肝臓炎とか流感性肝臓炎とか名づけて然るべき病気ではないかと思....