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雇主
「雇主〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
雇主の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「百喩経」より 著者:岡本かの子
った。それと関係なしに山査子の花は梅の形に咲く。 平凡な雇女は呼びようもなくて
雇主の五人を一々旦那様と呼んだ。でもその呼びかたに多少の特性を認めないこともない....
「秋深き」より 著者:織田作之助
い、このろくろ首いうもんは、苦界に沈められている女から始まったことで、なんせ昔は
雇主が強欲で、ろくろく女子に物を食べさしよれへん。虐待しよった。そこで女子は栄養....
「雨」より 著者:織田作之助
まったほど、体を悪くしてしまっていた。ガレッジの二階で臥床していたが、肺と知って
雇主も困り、家に知らせたら如何や。待っていましたとばかり
雇主の言葉を口実にお君に....
「雨」より 著者:織田作之助
体をこわしていたのだった。ガレーヂの二階で低い天井を睨んで寝ていたが、肺と知って
雇主も困り、 「家があるんやったら知らせたらどないや」 待っていましたとばかり....
「生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
に私の家の書生としますが、そういうものと問題が起こります。そういたしますというと
雇主と雇われた人でありますから、私のほうが搾取者でありますが、実際は私のほうが負....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
船長は言った。「結構な船のようです。それ以上は言えません。」 「恐らく、君は君の
雇主も好まんのかも知れんね?」と大地主さんが言った。 しかしここでリヴジー先生....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
と定めまして、其の内|前金を遣ります。皆手金の前借が有ります。それで夏冬の仕着を
雇主より与える物でございます。これは機織女を雇入れます時に、主人方へ雇人請状を出....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
あります。今日でも一般社会にはなおこの悪習慣が行われて居りますが、その責はむしろ
雇主側に多いと云わねばなりますまい、すなわち主人は、雇人の生活の必需俸給を惜しん....
「株式仲買店々員」より 著者:ドイルアーサー・コナン
なかったこと、それからその他事務家の注意しないではいられない部分などが、私のその
雇主の位置に対して悪印象を残しているのでした。が、とは云え、よしどんなことが起き....
「濹東綺譚」より 著者:永井荷風
ヨウヨウとか呼ぶ玩具を売る小娘の姿を見ぬ事はなかった。わたくしは若い女達が、其の
雇主の命令に従って、其の顔と其の姿とを、或は店先、或は街上に曝すことを恥とも思わ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
時の出来心では仕方がないとして、以後は注意するこったね、そうして君は尋常に、元の
雇主へ詫《わ》びをして帰らなければならん。実は、多分、二人が中房の温泉あたりと、....
「入社の辞」より 著者:夏目漱石
事だ。いくら不愉快でも、妨害になっても、新聞に対しては面白く仕事が出来る。雇人が
雇主に対して面白く仕事が出来れば、是が真正の結構と云うものである。 大学では講....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
て良民を罪に陥《おとしい》れる事さえあるそうだ。良民が金を出して雇っておく者が、
雇主を罪にするなどときてはこれまた立派な気狂《きちがい》である。次に眼を転じて真....
「犠牲者」より 著者:平林初之輔
あった。自分のような、何処といって取柄のない人間を、大金を出して雇ってくれている
雇主《やといぬし》は世にも有り難い人であると、彼はいつも心から感謝していた。 ....
「双面獣」より 著者:牧逸馬
て、珍らしくない心理であろう。同僚の仕事に欠点《あら》を見付けては、密かにそれを
雇主に告げる習慣があって、其のため、教会へ行かない大工の間では、余り評判が好くな....