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雇員
「雇員〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
雇員の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「賈后と小吏」より 著者:田中貢太郎
盗尉部の小吏に美貌の青年があった。盗尉部の小吏といえば今なら警視庁の巡査か
雇員というところだろう。そして、その青年は厮役の賤を給し升斗の糧を謀ったというか....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
ことになり、芝琴平町に来り住した。優の家にいた岡寛斎も、優に推挙せられて工部省の
雇員になった。寛斎は後明治十七年十月十九日に歿した。天保十年|生であるから、四十....
「文学における古いもの・新しいもの」より 著者:宮本百合子
、当時作者のおかれていた社会的現実は日給僅か一円なにがしの、小倉袴をはいた一下級
雇員の日常であり、勤労階級の日常のうちに文学を愛好する青年たちの生活感情を、その....
「天馬」より 著者:金史良
立て、洋服や白い着物がうろつき廻っている。景気のいい商人や、総督府あたりの朝鮮人
雇員、無職で金のある青年、モダンボーイ、そしてカフェー音楽家、バーマルキスト等が....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
内官吏も含んでいる。そればかりではなく、所謂官吏だけではなく一般の公吏や官公庁の
雇員までも含むことが往々だ。とに角広くお役人又はお役人に準じるものを、法律上の用....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
たこの際から私は彼と義絶して暫く書信もせなかった。がその後彼は函館へ行って税関の
雇員になっていたが、折節米国の金満家の娘が病死して、その嫁入の手当てとして別に積....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
女|嫌《ぎら》いだったからではなかった。かえって女をたいへん好きだった。労働者や
雇員や公吏など、すべて働いてる年若い女どもが、朝いつも多少遅れがちに、まだよく眼....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
なければいけない。 クリストフは中にはいって行ったのだった。 彼は国営鉄道の
雇員である一隣人の仲介で、労働者らと交際し初めた。その男は四十五歳で、背が低く、....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
魂をもっていた。平民の出であって、長い間ボール紙工場の女工をし、つぎには郵便局の
雇員になって、その幼年時代に、パリーの貧しい労働者に通例な環境に苦しんできた。魂....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
とにかく、活東は飄々乎とした人物であった。母親とつつましい暮しをしていて、自分は
雇員か何ぞになって区役所に勤めていた。かれはおりおり役所を勝手に休んで鶴見の家に....
「戦争責任者の問題」より 著者:伊丹万作
は郊外の百姓の顔であり、あるいは区役所や郵便局や交通機関や配給機関などの小役人や
雇員や労働者であり、あるいは学校の先生であり、といつたように、我々が日常的な生活....
「あなたも私も」より 著者:久生十蘭
てみるつもりなの」 「へえ、メイドにね……それもいいが、川崎の鉱山調査研究所に、
雇員の口があるよ……鉱山保安局にいる由良ってのは、あなたの叔父さんだろう。相談し....
「瘤」より 著者:犬田卯
南満の地に再び舞い戻って、満鉄の業務員、大連の某会社の事務員、転じて朝鮮総督府の
雇員……と数年間を転々したのであった。しかるに今度、親父の死、それに学閥なき者の....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
を始め婦人団体の幹部連中はそれに反対して言った。 「市政は民衆のためである。その
雇員は資本主義の
雇員とは性格を異にしている。自由社会にはストライキは許されない。....
「雀が森の怪異」より 著者:田中貢太郎
は岐阜の故郷にいるはずの友人であった。 「神中君じゃないか」 彼は岐阜の県庁に
雇員となって勤めているはずの友人が、浴衣がけのような恰好で、つい隣へ遊びに来たと....