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「雌伏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

雌伏の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
くは時勢転換の時節到来と存じ候男女を問わず青年輩の惰眠《だみん》を貪《むさぼ》り雌伏《しふく》しおるべき時には候わず明治維新の気魄は元老とともに老い候えば新進気....
懶惰の歌留多」より 著者:太宰治
おれは、考えることをしている。ひるあんどん。面壁九年。さらに想を練り、案を構え。雌伏《しふく》。賢者のまさに動かんとするや、必ず愚色あり。熟慮。潔癖。凝り性。お....
錯覚自我説」より 著者:辻潤
のが偶然の事情で最も強い型式を獲得したので、他のものは亡びたのでなく、皆その下に雌伏《しふく》したのに過ぎぬ。それゆえ一朝事情が変ずれば勿ち雌伏したものは雄飛し....
雛妓」より 著者:岡本かの子
小学校の夏季休暇で生徒のいない窓を眺めたりした。 わたくしの家はまだこの時分は雌伏時代に属していた。嘗て魔界の一ときを経歴したあと、芝の白金でも、今里でも、隠....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
た。しかも、二十三、四歳の青年とは思われないような老成な筆蹟で。 大丈夫当雄飛安雌伏 藤田信 「そう言えば、浪士もどの辺まで行きましたろう。」 景蔵らと稲葉屋....
三面一体の生活へ」より 著者:与謝野晶子
抜擢しようとすれば、教育界にもその他の社会にもそれだけの実力を抱きながら、空しく雌伏している人材は無数にあります。私の考えをいえば、臨時教育会議は今のような顔触....
火薬船」より 著者:海野十三
みせてやるのだ。わしの好きな大石良雄はじめ赤穂四十七義士にも、時に利あらずして、雌伏の時代があったではないか」 サイゴン港 虎船長の説得が、功を奏して、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
て伊東の後をついだのだが、腕もあるし、頭もよい、学問も出来る、なかなか今の時勢に雌伏して町道場を守っていられる人間でない、髀肉《ひにく》の歎に堪えられずにいると....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
む一派のためには心持のよくないことであります。彼等は明山侯の来るのを機会として、雌伏《しふく》していた能登守が頭を擡《もた》げはしないかと思いました。かねて能登....
盈虚」より 著者:中島敦
さ》の声が巷《ちまた》に満ちた。一時忘れられていた闘※戯への耽溺も再び始まった。雌伏時代とは違って、今度こそ思い切り派手に此の娯しみに耽ることが出来る。金と権勢....
随筆 寄席囃子」より 著者:正岡容
していた。相変わらずの柔道着で「瓜や茄子」や独劇などを演っていた(同じ頃この派に雌伏期のアチャコがいた)。でもその時例の松葉とかいう馬面の女はもういっしょに出て....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
しまった。二葉亭の一生中、その位置に満足して※々として職務を楽んでいたは官報局の雌伏時代のみであった。 原稿生活・実業熱・海軍編修・語学校教授 官報局を罷めて....
私本太平記」より 著者:吉川英治
。 途上で大塔ノ宮の令旨をうけたのだ。そして、それいらい両者は阿蘇の麓でじっと雌伏していた。ところへ、つい数日前、さらに船上山からの檄に接していたのである。密....
私本太平記」より 著者:吉川英治
二つの大山寺によって守られ、ただちに勅の檄は四方へ飛ぶ。それにこたえて、今日まで雌伏していた九州、四国、中国の宮方どもも一せいにふるい起つ。――で、当然なのは、....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
しまた辛抱した。それで長命の家筋などになると、女は人生の盛りの半分を、文字通りの雌伏で暮し、ヒステリイにもなればまた妙な社会観を抱くことにもなるのである。この不....