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「雌花〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

雌花の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
しんしんとして、寂しいもの、惜しまれるもの、痛むものが心臓を掴み絞るのであった。雌花だけでついに雄蕋にめぐり合うことなく滅びて行く植物の種類の最後の一花、そんな....
高原」より 著者:寺田寅彦
っていたが、顕微鏡で見るとこれも実に堂々たる傑作品である。植物図鑑によると雄花と雌花と別になっているそうであるが、自分の見た中にはどうも雄蕊雌蕊を兼備しているら....
山の春」より 著者:高村光太郎
木で、その細かい枝のさきに無数の金モールがぶら下って花粉をまく。小さな俵のような雌花があとでいわゆるヤシャの実になり、わたくしなどは木彫の染料に、それを煮出して....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
い花があって――華奢で美男で色白の、小次郎の顔とて花ではないか――うつむいて来る雌花を受けようとしている。 火事は大火となったと見えて、空に赤味が加わって来た....
植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
部ヲ欠キシヲ以テ帰京後同処小林区署山本左一郎氏ニ依頼シ本年五月其花ヲ得タリ花ハ皆雌花ナリ之ヲ検スルニ花穂ニ小柄ヲ具ヘ柄上二乃至四小葉アリ小苞ハ緑色卵円形ニシテ外....
植物知識」より 著者:牧野富太郎
しょく》の美花《びか》を着《つ》け垂《た》れているが、その花には雄花《ゆうか》と雌花《しか》とが雑居《ざっきょ》して咲いており、雄花《ゆうか》は花中《かちゅう》....
アケビ」より 著者:牧野富太郎
る。葉は冬月落ち散り、掌状複葉で長き葉柄を具えて互生し、花は四月頃に房をなし雄花雌花が同じ穂上に咲き、花には紫色の三萼片のみあって花弁はなく、雄花には雄蕋《おし....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
浪華津の、女の務と思えばこそ、また今の世に立ちもどり、煙に草木も枯れ果てて、雄花雌花も打萎む、野崎の里の亡霊と、なったお染が執念は、凝って籠って人のため、心中ご....
ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
うか、いつしか定連も多くなり、ひねもすぶんぶんにぎやかになった。そのころになって雌花がぽつり、ぽつり咲く。 雌花の基はよく見ると、どの葉のつけ根にもできている....