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雌蝶
「雌蝶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
雌蝶の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「道草」より 著者:夏目漱石
東鑑《あずまかがみ》』などが例に引いてあるだけで、何の実用にも立たなかった。 「
雌蝶《めちょう》も雄蝶《おちょう》もあったもんじゃないのよ貴方《あなた》。だいち....
「家」より 著者:島崎藤村
を頼むことにしました」 「その方が世話なくて好い」とお倉が言葉を添える。「雄蝶、
雌蝶だなんて、娘達に教えるばかりでも大変ですよ」 「いや、そうして頂けば難有い」....
「煩悩秘文書」より 著者:林不忘
次も、千浪につづいて走って来るのが見える。 「追うな! これ! 追うなと申すに!
雌蝶雄蝶だ。はっはっは、逃がしてやれ。」 出羽守の笑い声が、ばらばらと後を追お....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
号を出した。『中央公論』のその号に、須磨子は「人形の家」を上演した感想と別に、「
雌蝶」という短篇をのせている。幼い日の思い出物語であるが、親戚の御婚礼の日、
雌蝶....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
な。で、そいつを待つことにしよう。よしんば永久に帰らないにしても、後に残っている
雌蝶をさえ、握っていれば大丈夫だよ。神秘の秘密は解けるものではない。とはいえもち....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
―南新地の浪屋の奥二階。金屏風を引繞らした、四海波静に青畳の八畳で、お珊自分に、
雌蝶雄蝶の長柄を取って、橘活けた床の間の正面に、美少年の多一と、さて、名はお美津....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
した。何も見えないはずの竜之助の眼に、その蝶だけはハッキリと見えました。 蝶は
雌蝶と雄蝶との二つでありました。しかもその雄蝶は黒く
雌蝶は青いのまで、竜之助の眼....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ゅう》から舞い出でました。 蝶というには少しとうが立ち過ぎている嫌いはあるが、
雌蝶であり、雄蝶であり、それが月に浮かれて庵《いおり》を立ち出でたことは間違いが....
「血の盃」より 著者:小酒井不木
出入りのもののさんざめく声が頻りに聞えた。 いよいよ三々九度の段取りとなった。
雌蝶雄蝶の酒器は親戚の二人の少女によって運ばれた。仲人夫婦と花嫁と花婿。四人の顔....