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雑ぜ
「雑ぜ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
雑ぜの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
すか。不幸なお方、不幸なお方!」 それは不思議な声であった。憎悪と憐愍とをこき
雑ぜた――怒と悲との声であった。そうしてその声は水を渡り、濛気の壁を貫いて、纐纈....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
少する。偖、次は製薬法だ。壺から竹の皮へ移さなければならない。これへ小量の種油を
雑ぜる。二十五日間天日に干す。尚暖爐を用いてもいい。乾いた所で薬研へ入れる。そう....
「トコヨゴヨミ」より 著者:田山花袋
をぬいで上に上った。腹は減っているけれど、飯を食う気にはなれなかった。粟と麦とを
雑ぜた雑炊――それすら今年から来年にかけての材料を持っていないということが、一番....
「稚子法師」より 著者:国枝史郎
深い縁があればこそ、お眼にもかかれお言葉をも賜わったのだ」 嬉しさと悲さをコキ
雑ぜた複雑の思いに浸り乍ら彼は合掌したのであった。 翌朝館へ駆着けた時は既に納....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
と役人達は、がぜん態度を一変させ、彼等を捕縛えようと犇めいた。 彼等は男女取り
雑ぜて三十人余りの人数であった。それに馬が二頭いた。それから白という猛犬がいた。....
「血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
か、禹余糧とか陽起石とか、狗背とか、馬兜鈴とか、漏蘆などというそういう××質が、
雑ぜられてあるということを。 ただお紅は飲食をしたため、にわかに体が活々となり....
「赤格子九郎右衛門の娘」より 著者:国枝史郎
妾がふっと怒って見せたら笑って機嫌よく飲んだものだよ」 「南蛮渡来の眠薬に砒石を
雑ぜたこの薄茶、さぞ飲み工合がようござんしょう」 「一思いに殺さばこそ、一日々々....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
には、この二人、甲州の大尽、鴨屋方に推参し、三戸前の土蔵を破り、甲州小判大判取り
雑ぜ、数万両、他に、刀剣、名画等を幾何ともなく強奪したのを最後に、世の中から姿を....
「性に関するアイヌの習俗」より 著者:河野広道
た。やがて、何とも言い様の無い悪臭がして、呼吸も詰りわが腹の底を引繰り返して掻き
雑ぜたように、嘔吐を催して来た。大鍋は溢れんばかりに沸き立ち、家いっぱいに悪臭が....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
)には、道に落ちた紙屑を拾って、漉き直して写経の料紙を作る、縄切れを拾って、土に
雑ぜて古堂の壁を修繕する、瓜の喰いさしを拾って、獄舎の囚人に与えるなど、種々の社....