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「雑務〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

雑務の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
性質として、もし成効の影が彼を掠《かす》めて閃《ひら》めくならば、おそらく尋常の雑務とは切り離された特別の精彩を帯びたものが、卒然彼の前に投げ出されるのだろうぐ....
鉄鎚」より 著者:夢野久作
話以外の用事を絶対に云いつけなくなった。新しい通勤の給仕を一人置いて今までの私の雑務を引き継がせると同時に、各地方の相場を聞く私の態度にすこしも眼を離さぬように....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
よ。」 和田屋の清助という人だ。半蔵の家のものとは遠縁にあたる。本陣問屋庄屋の雑務を何くれとなく手伝ってもらうには、持って来いという人だ。清助は吉左衛門が見立....
悔なき青春を」より 著者:宮本百合子
の言葉づかい」を今年の計画に入れていられたのは味わいのふかいことですし、検車区の雑務手として働いている方が、男女同等の賃金に対して女性の責任を感じ、管理部の雑務....
源氏物語」より 著者:紫式部
国に漂泊《さすら》えておりましたが、たまたま帰京が許されることになりますと、また雑務に追われてばかりおりますようなことで、長い前からお伺いいたして故院のお話を承....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
の生活は、長い初学者としての生活でした。神学の課程を卒えますと、つづいて種じゅの雑務に従事しましたが、牧師長の人たちはわたしがまだ若いにもかかわらず、わたしを認....
恩人」より 著者:豊島与志雄
でまた医者に叱られるといやだからね。」そして叔父は他愛なく笑った。「それに種々な雑務もひかえているんだから。」 「ではあの父が居た室が今あのままになっていますか....
中庸」より 著者:坂口安吾
佐田海軍大佐を村長に推薦するに当って、諸君は大佐になんと約束したか。金策その他の雑務については一切大佐に御迷惑はおかけしないという約束ではないか。そもそも大佐は....
レーリー卿(Lord Rayleigh)」より 著者:寺田寅彦
会長になることになったので後任幹事の席があき、それにレーリーが推挙された。色々の雑務をなるべく他の人にやらせるからという条件で彼を説き伏せた。主な仕事は論文の審....
自作肖像漫談」より 著者:高村光太郎
智恵子は転地先の九十九里浜で完全な狂人になってしまった。私はその頃の数年間家事の雑務と看病とに追われて彫刻も作らず、詩もまとまらず、全くの空白時代を過した。私自....
放水路」より 著者:永井荷風
かさいむら》の長橋もまだ目にとまらなかった。 わたくしの頽廃した健康と、日々の雑務とは、その後《ご》十余年、重ねてこの水郷《すいごう》に遊ぶことを妨げていたが....
くぐつ名義考」より 著者:喜田貞吉
たらしく推測せられるのである。 高野に谷の者なる一群の住民があった。もと山内の雑務に役する一種の賤民で、なお京都で河原者・坂の者など言われた輩と同じく、社会の....
私本太平記」より 著者:吉川英治
重を、きびしくかため申すべしなど定めたり。かくいふは元弘元年|八月二十四日なり。雑務の日なれば、記録所におはしまして……。 六波羅両庁と、二条富小路の里内裏の....
軽井沢にて」より 著者:正宗白鳥
世間が恐ろしかった。 この丘上の家で、労働に馴れない手足を使役して、よちよちと雑務をやっている一人の同居者は、普通の体質を有った中年の男性であるが、死ぬるのは....
紫式部」より 著者:長谷川時雨
そんな、チョロッケに書けるものではないと打消す下には、さまざまな、仕事の腹案や、雑務のおくれがちなのが、あれもこれも胸を突いてきて、蒸暑い室のなかの、古い書籍《....