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雑品
「雑品〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
雑品の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一兵卒」より 著者:田山花袋
らおうと思ってかれは駆け出した。 金椀がカタカタ鳴る。はげしく鳴る。背嚢の中の
雑品や弾丸袋の弾丸がけたたましく躍り上がる。銃の台が時々|脛を打って飛び上がるほ....
「壊れたバリコン」より 著者:海野十三
見タルトコロ傾斜セル山腹ガ截リトラレアルヲ見タリ。其ノ前ニ小屋アリテ人々出入ス。
雑品倉庫ナルコトヲ知リ得タリ。 一昨日マデハ、リベットヲ打ツ「ニュウマチック」ノ....
「赤外線男」より 著者:海野十三
面には、青いペンキを塗った大きな木の箱があって、これにはバケツだとかボロ布などの
雑品が入っているのだが、その箱の上を利用して新聞雑誌が一杯拡げられ、傍に青い帽子....
「蠅男」より 著者:海野十三
紋もうつくしい大理石に囲われて居り、大きなマントルピースの上には、置時計その他の
雑品が並んでいた。しかもその火床には、大きな石炭が抛りこまれて居り、メラメラと赤....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
《ロンドンふ》市街の繁昌、車馬の華美、料理の献立、衣服|杖履《じょうり》、日用諸
雑品の名称等、凡《すべ》て閭巷猥瑣《りょこうわいさ》の事には能《よ》く通暁《つう....
「青衣童女像」より 著者:寺田寅彦
倉の中へしまい込まれて今でもどこかに自分の所有物として現存しているのか、それとも
雑品の中に交じってくず屋の手に渡ってしまったのかもしれない。郷里の家は人に貸して....
「銀座アルプス」より 著者:寺田寅彦
スの買い占めが起こるかもしれない。しかし、降雹がなくとも、狂風にあおられた街頭の
雑品が飛んで来てぶつかれば結果は同様である。その時のために今から用心したいと思う....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
寝衣をぬいで、外出用の服に着かえた。たった一分しか、かからない。それから机の上の
雑品をあつめてポケットへつっこんだ。それから戸棚から一個のトランクをだして、手に....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
りの――なおその上に、一揆共が退散の時に置逃げをした大釜だの、鍋だの、食い雑用の
雑品類、みんな胆吹御殿で引取りの上、勝手に使用いたしてよろしい、つまりお下げ渡し....
「チューインガム」より 著者:寺田寅彦
め込む事が出来たのであった。日本への土産にドイツやイギリスで買って来たつまらない
雑品に一つ一つ高い税をかけられた。その間に我が親愛なる税関吏は止みなくチューイン....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
品が一ツあると考えている。フロシキである。 特に大きいフロシキの効能は絶大だ。
雑品を一まとめに運ぶことができて、用のない時は小さくタタンでフトコロに忍ばせてお....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
館で講義した。そして時に触れては諸国へ採薬旅行を試みた。先生の書斎衆芳軒はまるで
雑品室のようで、室内には書籍や参考資料や研究材料がイヤというほど一杯に満ちて足の....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
くらなんでもこの移転《ひっこし》荷物のままでは、この崖はのぼれない。この中にある
雑品はいずれ僕が弁済することにして、とにかくここへ放棄するから悪しからず」という....
「民芸とは何か」より 著者:柳宗悦
。しかし選ばれたものも要するに民器たることに何の変りもありません。たくさんできた
雑品でなくば、選ぶということすらできないでしょう。まして元の産地にはいかにまだ、....
「ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
がほかの爆撃のあとと異なる点のひとつは至るところ平均した厚さに灰と瓦と焼け残りの
雑品が積み重なっていることである。土蔵とか樹木とかがあちこちに残ったり畑はそのま....