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「雑居〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

雑居の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
信輔の家庭は貧しかった。尤《もっと》も彼等の貧困は棟割長屋《むねわりながや》に雑居する下流階級の貧困ではなかった。が、体裁を繕う為により苦痛を受けなければなら....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
く続いているうちに、鬼は空ちゅうで語りました。 「わたしは鬼神であるから、人間と雑居するのを好まないのである。しかし君は堅固な人物であるから、兄分として交際した....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
王の府をもってわが居城としていたが、それは数百年来の古い建物であって、人と鬼とが雑居のすがたであった。ある日、後殿のかたにあたって、笙歌の声が俄かにきこえたので....
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
いつかは列強の餌食となって日本全国が焦土となると想像したものは頗る多かった。内地雑居となった暁は向う三軒両隣が尽く欧米人となって土地を奪われ商工業を壟断せられ、....
続獄中記」より 著者:大杉栄
畜生恋 僕はいつも独房にばかりいて、雑房の方のことはよく知らない。雑房というのは、詳しく言えば雑居房だ。六人も八人も十人も、あるいはもっと多くの囚人が六畳敷か八畳敷かの一室に....
三十年後の世界」より 著者:海野十三
に、それが今は夢として破れ去り、ほんとうは他の星の生物たちといっしょに住んでいる雑居《ざっきょ》世界だということが分りかけた。これはゆだんがならない。また、考え....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
なりとせば、天国という所は、高潔無比の善人と、極悪無道の悪人とが、互に膝を交えて雑居生活を営む、不思議千万な場所ではないか? われ等の教うる神は、断じてそんな....
鴨の喜劇」より 著者:井上紅梅
鶏を飼え、牛を飼え、駱駝を飼えとさえいうのだ。あとで果して仲密君の屋敷内に群鶏が雑居して庭じゅうを飛び廻り、地面の上に敷かれた美しい錦の若葉を無残にも喙み尽した....
憑き物系統に関する民族的研究」より 著者:喜田貞吉
んだん狭隘を感じて、次第に山人の範囲に割り込んで来る。はては同じ一と村の中に双方雑居することともなる。所謂地主筋のものも、客筋のものも、同一の場所で同一の生活を....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
海からきたシキア人か? スペイン人か? あるいはゴオル人か? 主族民がジプシイと雑居し、生垣囲のなかでは、ぼろを着た女たちが終日笑いながら寝そべり、ぼろを着た男....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
色赤黒くして、われわれ日本人よりもいくぶんか黒く見ゆ。また、純然たる黒奴もこれに雑居す。物産は果物およびタバコにして、小舟に載せ、本船の周囲に集まる。また、織物....
春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
も次第に内地化して、いわゆる俘囚となって来たのではあったが、その後なお久しく民夷雑居の境であった。天平の開通を距る約百四十年後の元慶四年において、出羽の国司はこ....
今年の抱負」より 著者:大倉燁子
わされることがなかったら、心のままに書けるのではないか、落ちつくことの出来ない、雑居のようなこのざわざわした日常生活の中で、何が出来るだろう、出来ないのがあたり....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
くの場合には彼らはあまり世間から区別せられていなかったがために、普通民の間に移住雑居することが容易であったという事情の下に、たいていは諸所に分散してしまって、今....
融和促進」より 著者:喜田貞吉
しめました。かくの如くして本来その民族を異にする多くの民衆が、この同一の島国内に雑居して、すべてが一緒になって、わが日本民族は成立したのであります。そしてそこに....