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雑巾
「雑巾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
雑巾の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「年末の一日」より 著者:芥川竜之介
た言うのはこの音だった。袖無《そでな》しの上へ襷《たすき》をかけた伯母はバケツの
雑巾《ぞうきん》を絞りながら、多少僕にからかうように「お前、もう十二時ですよ」と....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
でいた。そこから見える台所のさきには、美津《みつ》が裾を端折《はしょ》ったまま、
雑巾《ぞうきん》か何かかけている。――それが彼等の話し声がすると、急に端折ってい....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
んとした沈黙が襲って来た。仁右衛門はだらんと下げた右手に斧をぶらさげたまま、妻は
雑巾《ぞうきん》のように汚い布巾《ふきん》を胸の所に押しあてたまま、憚《はばか》....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
、そうしてお洗足《せんそく》を上げましょうかえ。)
(いえ、それには及びませぬ、
雑巾《ぞうきん》をお貸し下さいまし。ああ、それからもしそのお
雑巾|次手《ついで》....
「守の家」より 著者:伊藤左千夫
たか、表の呉縁《くれえん》に朝日が暖くさしてる所で、自分が一人遊んで居ると、姉が
雑巾がけに来て「坊やはねえやが居なくても姉さんが可愛がってあげるからね」と云った....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
子も外の者と野へ出ることとなって、母が民子にお前は一足跡になって、座敷のまわりを
雑巾掛《ぞうきんがけ》してそれから庭に広げてある蓆《むしろ》を倉へ片づけてから野....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
笑み、 「お邪魔をしてね。」 「どういたしまして、もう台なしでございまして、」と
雑巾を引掴んで、 「あれ、お召ものが、」 と云う内に、吾妻下駄が可愛く並んで、....
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
くては家の掃除も充分にできないといって、がたひち音をさせ、家のすみずみをぐるぐる
雑巾がけをする。丹精な人は掃除にまで力を入れるのだ。 朝飯が済む。満蔵は米搗き....
「ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
なっている炊事を、毎朝自分で引き受けました。そして牢屋で習慣づけられたとおりに、
雑巾などを握って台所なども、案外きれいに片づけました。そしてひまがあると、何か読....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
るその肩を抱いた。 「どうなさいました。」と女房飛込み、この体を一目見るや、 「
雑巾々々。」と宙に躍って、蹴返す裳に刎ねた脚は、ここに魅した魔の使が、鴨居を抜け....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
の口真似)ポン、ポン、大宅の太郎は目をさまし……ぼんやりしないでさ。」 「馬鹿、
雑巾がないじゃないか。」 「まあ、この私とした事が、ほんにそうでござんした、おほ....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
なじ時、次のお座敷で、そのお勢というのに手伝って、床の間の柱に、友染の襷がけで艶
雑巾をかけていたお米という小間使が、ふっと掛花活の下で手を留めて、活けてありまし....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
へ仁王立ちで、杓呑を遣った。 そこいら、皿小鉢が滅茶でしょう。すぐにその手で、
雑巾を持って、婆さんが一片附け、片附けようとする時、二階で、 (親方々々、) ....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
―「尋常に手桶とも言わないで、バケツはどうだ。しかし水を打ちまくかわりに、舞台へ
雑巾を掛けます。」と、月を経て、嬉しそうに元老が吹聴した。娘の婿に極った時である....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
よう。やや暫くかかって漸く抄い上げて見ると、大きな塩鮭程なのでしょう。私が急いで
雑巾を取るか取らないに、(顎の骨にて手を傷つけらるるを恐れ、鱸をおさえるには、皆....