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雑煮
「雑煮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
雑煮の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「放浪」より 著者:織田作之助
よばれるのが嬉しくて、女給たちのたかるままになっていた。 ある夜、わざと澄まし
雑煮を註文し、一口のんでみて、こんな下手な味つけで食べられるかいや、吸物というも....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
うにかなるさ」と、紋作は誇るように笑った。「芝居を一度や二度休んだって、まさかに
雑煮が祝えないほどのこともあるまい」 「そりゃあそうかも知れないわ。根岸の叔母さ....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
快晴也好新年。 されど記録になき乏しき食膳の新春なり。されどされど食膳に向えば
雑煮あり、椀中餅あり鳥あり蒲鉾あり海苔あり。お重には絶讃ものの甘豆あり、うちの白....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
日に限って近所の子供を邸へ入れて見物させる。竹内さんに獅子が来たと云うと、子供は
雑煮の箸を投り出して皆んな駈け出したものであった。その邸は二十七、八年頃に取り毀....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
なたは。」 「え、私は、塩餡。」 「ご尋常……てまえは、いなか。」 「あとで、鴨
雑煮。」 「驕る平家ね、揚羽の蝶のように、まだ釣荵がかかっていますわ。」 と閉....
「時 処 人」より 著者:岸田国士
ていない。 元日が元日らしいためには、どんな条件が必要かといえば、門松・トソ・
雑煮というような形式はさておき、私の経験によれば、まず何よりも、家族が多少改まつ....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
の遊戯を、三十年後の今日カフエーの女給たちの所で、かくし芸にしているのだ。正月で
雑煮餅をよばれたが、大きくて、辛口なのには閉口した。だがそれをしきりにおかわりを....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
は、毎年、正月の元日には雪の中を草鞋穿でそこに詣ずるのに供をした。参詣が果てると
雑煮を祝って、すぐにお正月が来るのであったが、これはいつまでも大晦日で、餅どころ....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
過ごしなされますか。 丹那は淋しいお正月です。私たちは二人で心ばかりの祝いのお
雑煮餅もいただきました。艶子が二十九日に帰ってからはたいへん淋しくなりました。 ....
「思い出草」より 著者:岡本綺堂
日に限って近所の小児を邸へ入れて見物させる。竹内さんに獅子が来たというと、小児は
雑煮の箸を投り出して皆な駈け出したものであった。その邸は二十七、八年頃に取毀され....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
うのです。その後で卵|饂飩あるいは麦焦しをたべることもある。
夜分は小麦団子を
雑煮のように拵えてたべる。チベットでは粥と言うて居るが、その中には肉も入って居れ....
「雑煮」より 著者:北大路魯山人
季節にちなんで、お
雑煮の話をしたいと思う。 いったいお
雑煮は、子供の時分から食べ慣れた故郷の地方....
「西航日録」より 著者:井上円了
ある高等商業学校の同窓会に出席す。 明治三十六年一月一日、間島氏の宅にて元旦の
雑煮を食す。よって狂歌を詠む。 正月にそなへる餅も喰ふ餅もみな盆餅と呼ぶぞおかし....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
旦)、晴れ。朝、船中に新年拝賀式あり。船長の発声にて両陛下の万歳を三唱しおわり、
雑煮を味わい屠蘇を傾け、さらに領事館に至りて新年の遥拝をなし、午後市外の散策を試....
「放浪」より 著者:織田作之助
よばれるのが嬉しくて、女給たちのたかるまゝになっていた。 ある夜、わざと澄まし
雑煮を註文し、一口のんでみて、こんな下手な味つけで食えるかいや、吸物というもんは....