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雑記帳
「雑記帳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
雑記帳の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一房の葡萄」より 著者:有島武郎
あか》で真黒《まっくろ》になっているあの蓋《ふた》を揚《あ》げると、その中に本や
雑記帳や石板《せきばん》と一緒になって、飴《あめ》のような木の色の絵具箱があるん....
「二十世紀旗手」より 著者:太宰治
らずも、わが国古来の文学精神、ここにいた。
あの言葉、この言葉、三十にちかき
雑記帳それぞれにくしゃくしゃ満載、みんな君への楽しきお土産《みやげ》、けれども非....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
十五冊、これらは勿論あきらめるよりほかはない。そのほかにも私が随時に記入していた
雑記帳、随筆、書抜き帳、おぼえ帳のたぐい三十余冊、これも自分としてはすこぶる大切....
「蘆声」より 著者:幸田露伴
で、自分は其処の水際に蹲って釣ったり、其処の堤上に寝転がって、たまたま得た何かを
雑記帳に一行二行記しつけたりして毎日|楽んだ。特にその幾日というものは其処で好い....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
*
夜、鶴子が炬燵に入りながら、昨日東京客からみやげにもらった鉛筆で
雑記帳にアイウエオの手習をしたあとで、
雑記帳の表紙に「トクトミツルコノデス」と書....
「白椿」より 著者:海若藍平
が済むと、筆入やカバンを奇麗に掃除して、鉛筆を上手に削って、時間表に合せた書物や
雑記帳と一所に入れて机の上に正しく置きました。それから机の抽斗をあけてキチンと片....
「備忘録」より 著者:寺田寅彦
であるにもかかわらず、その死のしらせはやはり桐の一葉のさびしさをもつものである。
雑記帳の終わりのページに書き止めてある心覚えの過去帳をあけて見るとごく身近いもの....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
解いた、中から歴史や地理や図画や筆箱などがでた、かれはそれらを一つ一つしらべると
雑記帳の間から一封の手紙が落ちた。封筒にはただ「文子様」と書いてある。 かれは....
「火傷した神様」より 著者:田中貢太郎
と温泉街であった。 私は中津屋へ入って、まず温泉に入り、それから二階へあがって
雑記帳を啓けていると、彼の女が来て、 「御飯はどういたしましょう」 と云った。....
「過渡人」より 著者:豊島与志雄
然し矢島さんは間もなくまた書斎から出て来た。そして彼は、西日の当る二階の椽側で
雑記帳にいたずら書きをしている慎吉を見出した。 「何を書いてるんだ。」と矢島さん....
「愉快な話」より 著者:豊島与志雄
などというものは、一種の凡人的ヨタリズムだ。 昨年の、朝日新聞か日日新聞かの、
雑記帳とか青鉛筆とかいった欄に、次のような記事があった。 ――アメリカで、すば....
「妖婦」より 著者:織田作之助
ところが四年生になって間もなくのある日、安子は仕立屋の伜の春ちゃんの所へ鉛筆と
雑記帳を持って行き、「これ上げるから、あたいの好い人になってね」そう言って春ちゃ....
「明治時代の湯屋」より 著者:岡本綺堂
明治時代の湯屋について少しく調べたいことがあったので旧い
雑記帳を引っくり返したり、旧い記憶を呼び起したりした。その時代の銭湯と今日のいわ....
「読書雑感」より 著者:岡本綺堂
で、これまでにあまりひどい目に逢ったこともなかったが、震災のために、多年の日記、
雑記帳、原稿のたぐいから蔵書一切を焼き失ったのは、一生一度の償い難き災禍であった。この恨は綿々として尽きない。....
「十番雑記」より 著者:岡本綺堂
三十五冊、これらは勿論あきらめるより外はない。そのほかにも私が随時に記入していた
雑記帳、随筆、書き抜き帳、おぼえ帳のたぐい三十余冊、これも自分としては頗る大切な....