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「雑貨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

雑貨の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
でもいっているように、亡父の財産をありったけ金に代えて、手っ払《ぱら》いに日本の雑貨を買い入れて、こちらから通知書一つ出せば、いつでも日本から送ってよこすばかり....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
点で……」 と笑いながら幹事が最初|挨拶した、――それは、神田辺の沢岡という、雑貨店の好事な主人であった。 四 連中には新聞記者も交ったり、文....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
の中ほどに、さきが古道具屋と、手前が桐油菅笠屋の間に、ちょっとした紙屋があるね。雑貨も商っている……あれは何と言う家だい。」 「白粉や香水も売っていて、鑵詰だの....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
――今思うと船宿でしょう。天井に網を揃えて掛けてあるのが見えました。故郷の市場の雑貨店で、これを扱うものがあって、私の祖父――地方の狂言師が食うにこまって、手内....
半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
った。そのかわり、町の出はずれを国道へついて左へ折曲ろうとする角家の小店の前に、雑貨らしい箱車を置いて休んでいた、半纏着の若い男は、軒の藤を潜りながら、向うから....
小春の狐」より 著者:泉鏡花
くどいと不可い。道具だてはしないが、硝子戸を引きめぐらした、いいかげんハイカラな雑貨店が、細道にかかる取着の角にあった。私は靴だ。宿の貸下駄で出て来たが、あお桐....
歯車」より 著者:芥川竜之介
ンを持ったまま、その度にこんな言葉を思い出した。 或生暖かい曇天の午後、僕は或雑貨店へインクを買いに出かけて行った。するとその店に並んでいるのはセピア色のイン....
トロッコ」より 著者:芥川竜之介
ぎ喘ぎ走るのを見ては、「おいどうしたね?」などと声をかけた。が、彼は無言のまま、雑貨屋だの床屋だの、明るい家の前を走り過ぎた。 彼の家の門口へ駈けこんだ時、良....
村芝居」より 著者:井上紅梅
っと三十くらいで、みな田を植えたり、魚を取ったりそういう暮しをしている間に、ただ雑貨屋が一軒あるだけであったが、わたしに取っては極楽世界であった。ここへ来れば優....
」より 著者:犬田卯
古くから組合の世話人をやっている半白の老人が弁解するように言った。「肥料の配給、雑貨の仲つぎ……。でもあれだよ、みんな組合を利用しべと思わねえから駄目なんだよ。....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
紅屋の軒看板が見えています、串戯じゃない。 第一、この角の黒渋赤渋の合羽屋が、雑貨店にかわって、京焼の糶売とは、何事です。さあ二貫、二貫、一貫五百は何事です。....
昔尊く」より 著者:上村松園
九歳の頃のことでした。明治二十五、六年の、忘れもしない四月二十一日の夜明方、隣の雑貨屋さんから火が出まして、私どもの家もおかげで半焼のうき目にあったのでした。そ....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
前四時、船すでにリンデン湾に着す。人家四、五十戸の漁村なり。阜頭に三層旅館一戸、雑貨店一軒あるのみ。山上は雪色皚然たるも、海に面したる方は雪すでに消して、青草地....
透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
ってかみついたのかしら?」 話をきいていたおかみさんのひとりが、口をはさんだ。雑貨屋のハクスターがもっともらしいようすで、 「そうだよ、われわれがここに立って....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
るいい男を拾ってきたつもりなのには弱った。世話になっているうち、本町の山路という雑貨屋が私の同郷であるのを知り、これ幸いと身を寄せることになった。 この雑貨屋....