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雑駁
「雑駁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
雑駁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
《はりがね》だらけである。一羽の鳶《とび》も見えぬ。上の静なるだけに下はすこぶる
雑駁《ざっぱく》な世界である。 「おいおい」と大きな声で後から呼ぶ。 二十四五....
「明暗」より 著者:夏目漱石
かげ》で奇警《きけい》な事を云ったり為《し》たりした。
彼の知識は豊富な代りに
雑駁《ざっぱく》であった。したがって彼は多くの問題に口を出したがった。けれどもい....
「弓町より」より 著者:石川啄木
。詩の存在の理由を肯定するただ一つの途《みち》である。 以上のいい方はあまり大
雑駁《おおざっぱ》ではあるが、二三年来の詩壇の新らしい運動の精神は、かならずここ....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
変遷を通覧せざるべからず、いたずらにその名称を見てその実相を察せざるときは、錯乱
雑駁なる今日の政界において誤謬に陥らざることほとんど希なり。 名実の相合せざる....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
せねばならぬ。われら神聖なる哲学の徒は彼らの抱ける善の玉のいかに不純不透明にして
雑駁なる混淆物を含みおるかを示して、雨に濡れたる艶消玉の月に輝く美しさを探ること....
「詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
》れにしかいないのである。日本のたいていの作家は、単に文士 Writer という
雑駁《ざっぱく》な感銘をあたえるのみである。けだし日本は、三千年来世界と孤立した....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
《ごくい》に達している道庵の眼から見れば、小金ヶ原の場末から起り出した不統一な、
雑駁《ざっぱく》な、でたらめな、この輩《やから》の連中の踊りっぷりなんぞは、見て....
「マダム貞奴」より 著者:長谷川時雨
て好いであろう。 川上とて、いまも生きて舞台に立っていたならば、新派創造時代の
雑駁《ざっぱく》な面影をとどめていて、むしろ恥多き晩年であったかもしれない。しか....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
い……。 クリストフは多少皮肉に微笑《ほほえ》みながら、ジャニコロの覧台から、
雑駁《ざっぱく》でしかも調子のとれたこの都会をながめた。それはこの都市がかつて統....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
取り得る第一層までは、仕事は善良なものである。しかしその一層を越せば、仕事も曖昧
雑駁《あいまいざっぱく》なものとなり、更に下に下れば恐るべきものとなる。ある深さ....
「役人の頭」より 著者:末弘厳太郎
あります。その中に新聞を読んではいけない、ことに朝一番頭のいいときに新聞のような
雑駁なかつ平易なものを読むと一日中の仕事欲を害する、ということが書いてありました....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
のを配して新旧思想の衝突を描いたのであると、極めて漠然たる話をした事があった。大
雑駁にいえばツルゲーネフ等に倣って時代の葛藤を描こうとしたのは争われないが、多少....
「オシラ神に関する二三の臆説」より 著者:喜田貞吉
人形をまで「雛」といったとは受け取れない。 今日ふつうに雛壇に飾る人形は、種々
雑駁なものになっているけれども、それは比較的近い時代以来の事で、いわゆる雛人形の....
「『黒影集』の序詞」より 著者:田中貢太郎
とすると怪譚に筆を著けることがあって、既に『怪談』と云う小冊子まで作っているが、
雑駁で不統一で、どっちから云っても欠点だらけだし、その上、後からも同種類の材料が....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
、小箱、嚢などを積み上げて、
急いで持って来るだろう。
外国の産物を、豊富に、
雑駁に積みたる華麗なる舟。
メフィストフェレス。三人の有力者。
合唱の....