雑魚寝[語句情報] » 雑魚寝

「雑魚寝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

雑魚寝の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
眉山」より 著者:太宰治
はその若松屋に行き、そこの二階の六畳で、ぶっ倒れるまで飲み、そうして遂《つい》に雑魚寝《ざこね》という事になる。僕たちはその家では、特別にわがままが利《き》いた....
饗応夫人」より 著者:太宰治
お酒を飲まされ、しらじらと夜の明けた頃に、こんどは、こたつを真中にして、みんなで雑魚寝《ざこね》という事になり、奥さまも無理にその雑魚寝の中に参加させられ、奥さ....
鰊漁場」より 著者:島木健作
れて来て、偶然ここへ足をとどめることになった源吉にはそのどてらの持合せすらない。雑魚寝をしている仲間の間にわりこんで横になり、眠ろうとするのであったが、飲みつけ....
電気看板の神経」より 著者:海野十三
の上に、睡りもやらぬ一夜を送った其の翌朝のことだった。事件急迫のために、宿直室で雑魚寝をしていた係官一同は「カフェ・ネオンに第三の犠牲者現わる」という急報に叩き....
前哨」より 著者:黒島伝治
た。二十日間も風呂に這入らない兵士達が、高粱稈のアンペラの上に毛布を拡げ、そこで雑魚寝をした。ある夕方浜田は、四五人と一緒に、軍服をぬがずに、その毛布にごろりと....
正義と微笑」より 著者:太宰治
晴れ。本当は、きょうから六日間、四年生の修学旅行なのだが、旅館でみんな一緒に雑魚寝をしたり、名所をぞろぞろ列をつくって見物したりするのが、とても厭なので、不....
大阪を歩く」より 著者:直木三十五
になると、不見転《みずてん》以外は帰ってしまうが、大阪は、時として夜が更けると、雑魚寝があるし、席貸へ行って夜明かしもするし、――つまり、飽きる所まで、行きつく....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
固うございました。ところが当節のお方はちょっと洒落半分に 「君ちょっと来たまえ、雑魚寝で」 と、男がいえば、女の方で 「お戯けでないよ」 又男の方でも 「そ....
地図にない街」より 著者:橋本五郎
てきた老人の正体を考えずにはいられなかった。 おそらくこの老人とても、こうして雑魚寝《ざこね》の連中と同一|軌《き》の人種に違いない、とそのことは考えられたが....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
べく多くの時間をつぶした方が都合がよい、この御連中も泊るとすれば、あの小屋の中へ雑魚寝《ざこね》と来るだろうが、次第によっては今晩ひとつ、雑魚の魚交《ととまじ》....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ん》を敷いておもらい」 「ここへ寝《やす》むの?」 「みんな一緒に?」 「ああ、雑魚寝《ざこね》よ」 「雑魚寝って?」 このやからも雑魚寝を知らないはずはある....
丹下左膳」より 著者:林不忘
ちの御家悪《ごけあく》ででもあるらしく、なかには、当の左膳をはじめ何人あぶれ者が雑魚寝《ざこね》をしているかわからないから、両人といえどもうかつには踏みこめない....
勉強記」より 著者:坂口安吾
、恋人の話や、凡そお経の話以外はみんなした。 深夜になって、一同、待合の一室で雑魚寝した。朝がきた。顔を洗って、着物を着代えて、何代目かの管長候補は女の襟を直....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
屋から傘を持ってこい。」 二 「酒《ささ》がこうしてついそれなりに、雑魚寝《ざこね》の枕《まくら》仮初《かりそめ》の、おや好かねえ暁《あけ》の鐘――....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
の帯の八橋を、転げた上で泳ぐがごとき、大それた溺れよう。肝魂も泥亀が、真鯉緋鯉と雑魚寝とを知って、京女の肌を視て帰って、ぼんやりとして、まだその夢の覚めない折か....