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「雛の節句〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

雛の節句の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
はいつかやわらかい芽を吹いて、春のうららかな影はたわわになびく枝から枝に動いた。雛の節句の前夜に外記は来た。大抵のよい客はあしたの紋日《もんび》を約束して今夜は....
産屋物語」より 著者:与謝野晶子
雛の節句の晩に男の子を挙げてまだ産屋に籠っている私は医師から筆執る事も物を読む事....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
ざしがいっぱいにさしこみ、物干のおしめに陽炎《かげろう》がたっている。 あすは雛の節句で、十軒店《じっけんだな》や人形町《にんぎょうちょう》の雛市はさぞたいへ....
妖婦」より 著者:織田作之助
嘩早く、物見高く、町中見栄を張りたがり、裏店の破れ障子の中にくすぶっても、三月の雛の節句には商売道具を質においても雛段を飾り、娘には年中派手な衣裳を着せて、三味....
植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
習慣は次第になくなる傾向をたどっているようだ。 昔は旧暦三月三日の雛祭すなわち雛の節句には各家で草餅をこしらえたものだ。しかしホウコグサは葉が小さい上に量も少....
子規居士と余」より 著者:高浜虚子
能わずともこれによって何らか文学上の大事業を為し得可しというに在った。 旧暦の雛の節句前後居士は広島の大本営に向って出発した。余はどういうものだかその新橋出発....
木曽の怪物」より 著者:岡本綺堂
用あって信州軽井沢へ赴いて、凡そ半月ばかりも此の駅に逗留していた。東京では新暦の雛の節句、梅も大方は散尽くした頃であるが、名にし負う信濃路は二月の末から降つづく....