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「雛妓〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

雛妓の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
老妓抄」より 著者:岡本かの子
ときでも、気に入った若い同業の女のためには、経験談をよく話した。 何も知らない雛妓《おしゃく》時代に、座敷の客と先輩の間に交される露骨な話に笑い過ぎて畳の上に....
婦系図」より 著者:泉鏡花
「おいしいものが、直ぐにあとから、」 「綱次姉さん、また電話よ。」 と廊下から雛妓の声。 「あい、あい、あちらでも御用とおっしゃる。では、直き行って来ますから....
河明り」より 著者:岡本かの子
も見える娘。娘に「ちょっと入って頂戴」と云われて、そのあとから若い芸妓が二人とお雛妓が一人現れた。 部屋の主は私女一人なのに、外来の女たちはちょっと戸惑ったよ....
雛妓」より 著者:岡本かの子
そして、これは本当のあどけない足取りでぱたぱたと駆けて行くのが聞えた。 「お雛妓だ」 「そうねえ」 (筆者はここで、ちょっとお断りして置かねばならない事柄が....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
そうな、かすりの不断着をあわれに着て、……前垂と帯の間へ、古風に手拭を細く挟んだ雛妓が、殊勝にも、お参詣の戻らしい……急足に、つつッと出た。が、盲目の爺さんとす....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
退いて、寂とした。ただだだっ広い中を、猿が鳴きながら走廻るように、キャキャとする雛妓の甲走った声が聞えて、重く、ずっしりと、覆かぶさる風に、何を話すともなく多人....
太郎坊」より 著者:幸田露伴
「頭がそろそろ禿げかかってこんなになってはおれも敵わない。過般も宴会の席で頓狂な雛妓めが、あなたのお頭顱とかけてお恰好の紅絹と解きますよ、というから、その心はと....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
た快晴した。 昼は屋台が廻って、この玄関前へも練込んで来て、芸妓連は地に並ぶ、雛妓たちに、町の小女が交って、一様の花笠で、湯の花踊と云うのを演った。屋台のまが....
生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
まないとへんになるから飲む。十人のうち九人まで飲むことになる。そうするとそこにお雛妓がきまして舞うわけであります。それを見ていると美しい流れが流れてくる。可憐な....
競漕」より 著者:久米正雄
た。雨の日などにはその家の妓が五人ほど集まって、一緒に三味線のお浚いをし出した。雛妓の黄色い声が聞えたり、踊る姿が磨硝子を透して映ったりした。とうとうお終いには....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
会釈した。双方の席は言葉をかけ合うには離れ過ぎていた。 「出孫」には新地の芸者や雛妓たちが大勢来ていた。暑さの頃なので一せいに扇を動かすのが華やかに見える。しか....
花筐と岩倉村」より 著者:上村松園
むつかしいものであると思ったことであった。 岩倉村から帰ると、わたくしは祇園の雛妓に髪を乱させて、いろいろの姿態をとったり甲部の妓に狂乱を舞って貰って、その姿....
とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
は河岸ばかりでなく、遊びつけの日本橋、柳橋あたりの遊里にまで響き、うっかりしたお雛妓の言葉使いにも隠されぬ冷淡さがあった。そこで、近頃はまだ噂の行き亘らぬ吉原方....
早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
り高く肩の上に捧げたり、又は大きな庭木を提げたりかついだりした人々が、例の芸者や雛妓やかみさんや奥さんや学生や紳士や、さま/″\の種類階級の人々のぞろ/\渦を巻....
芝、麻布」より 著者:小山内薫
こないだ久しぶりで、これらを見せられて、今昔の感に堪えなかった。 岡田三郎助の雛妓の額が、また壁間に残っているのも、思い出の種である。....