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「雛段〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

雛段の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文鳥」より 著者:夏目漱石
ようにも受取られるが、ただの女のそれとしては、あまりに仰山《ぎょうさん》である。雛段《ひなだん》をあるく、内裏雛《だいりびな》の袴《はかま》の襞《ひだ》の擦《す....
」より 著者:夏目漱石
が》めていた。そうして二十年も昔に父母が、死んだ妹《いもと》のために飾った、赤い雛段《ひなだん》と五人囃《ごにんばやし》と、模様の美くしい干菓子と、それから甘い....
如是我聞」より 著者:太宰治
まで同じところに居据ろうとしている。 所謂「若い者たち」もだらしがないと思う。雛段をくつがえす勇気がないのか。君たちにとって、おいしくもないものは、きっぱり拒....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、娘のお春の節句が来た。小幡の家でも雛を飾った。緋桃白桃の影をおぼろにゆるがせる雛段の夜の灯を、お道は悲しく見つめた。来年も再来年も無事に雛祭りが出来るであろう....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
にも、武家の屋形がある。川の岸には桜が咲きみだれている。妹山の家には古風な大きい雛段が飾られて、若い美しい姫が腰元どもと一緒にさびしくその雛にかしずいている。背....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
やかでもあり、宣伝としても効果的だった。花道の外になる両側は三段、もしくは四段の雛段《ひなだん》式に場席がなっていて、一桝くぎりはおなじだが、これは舞台へ斜めに....
絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
一、尾彦楼の寮に住む三人のこと 並びに老遊女二つの雛段を飾ること なんにしろ明治四十一年の事とて、その頃は、当今の接庇雑踏とは異....
江木欣々女史」より 著者:長谷川時雨
。」 用はもう済んだのだ、彼女は立って広間へ案内した。 広い客間の日本室を、雛段は半分《なかば》ほども占領している。室の幅一ぱいの雛段の緋毛氈《ひもうせん》....
妖婦」より 著者:織田作之助
がり、裏店の破れ障子の中にくすぶっても、三月の雛の節句には商売道具を質においても雛段を飾り、娘には年中派手な衣裳を着せて、三味線を習わせ、踊を仕込むという町であ....
京鹿子娘道成寺」より 著者:酒井嘉七
面――桜の山の書割りを背にいたしまして、もえ立ったような、紅い毛氈を敷きつめた、雛段がございます。この上に、長唄、三味線、そして、お囃子連中――と居ならんでいら....
運命のSOS」より 著者:牧逸馬
ク号、百五十万磅の「|浮かべる宮殿《フロウテング・パラス》」は、船首から船尾まで雛段のように灯りを連ねて、この寒星の下、亜米利加を指して大西洋の白波を蹴りつつあ....
利根の尺鮎」より 著者:佐藤垢石
のである。合流点から上流は名にしおう坂東太郎の激流と深淵の連続である。白井の簗、雛段、樽、天堂、左又、宮田のノドット、竜宮方面へと釣り上がって行った。 とりわ....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
た時などはお喜びにもなりますが、誰にでも褒めてもらいたいのでした。どこからか古い雛段を出して来て順序よく並べ、暫くするとまた並べ替えるのでした。大釜を古道具屋か....
ジャズ狂時代」より 著者:小野佐世男
緞帳が上げられるや、待ってましたと客席は嵐のような拍手、舞台一ぱい絢爛と飾られた雛段には、スター・ダスターズのドラム、トロンペット、サクソフォン、キラキラ星の如....
島原の夢」より 著者:岡本綺堂
にも、武家の屋形がある。川の岸には桜が咲きみだれている。妹山の家には古風な大きい雛段が飾られて、若い美しい姫が腰元どもと一所にさびしくその雛にかしずいている。脊....