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離れ家
「離れ家〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
離れ家の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「のんきな患者」より 著者:梶井基次郎
なり、その兄がそれまで住んでいた町から少し離れた田舎に、病人を住ますに都合のいい
離れ家のあるいい家が見つかったのでそこへ引っ越したのがまだ三ヶ月ほど前であった。....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
白くそよいでいた。その池をめぐって、更に植え込みのあいだを縫ってゆくと、ふたりは
離れ家のようになっているひと棟のなかへ案内された。座敷は十畳と八畳ぐらいの二た間....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
わたくしの胸を、どう思召しておいでやら――」
四
人を交えぬ、二人だけの、
離れ家の静寂――絹張り、朱塗りの燭の火が、なつかしく輝く下に、美しい、若い男女は....
「爆弾太平記」より 著者:夢野久作
常に便利な事が多かった。 すると又そのうちに吾輩がタッタ一人で、淋しい絶影島の
離れ家に引込んだ話を風の便りに聞いたので、これには何か仔細が在りそうだ。まだ帰る....
「縊死体」より 著者:夢野久作
り美し過ぎたので、私は息苦しさに堪えられなくなって、彼女を郊外の××踏切り附近の
離れ家に連れ込んだ。そうして驚き怪しんでいる娘を、イキナリ一思いに絞め殺して、や....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
を惹きつけたのは中世紀風な、隠遁的情趣であった。淋しい海べの旅館や、沼のほとりの
離れ家に、人を避けて静かに、書物を読みほとんど賑やかな人里へは出なかった。私はた....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
――各自に身をまもらなければいけない。夜になったら、パリーの寂しいすみずみにある
離れ家を略奪する者が出てくるに違いない。(これはどう見ても警察が考え出したことで....
「黄色な顔」より 著者:ドイルアーサー・コナン
にぶつかってしまったんです。 それは、――さきほど私は、私たちの家のじき近くに
離れ家が一つあると申しましたね。――その
離れ家と私たちの家との間には、広っ場があ....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
籠の中で二度三度と失気《しっき》なされるので、やむなく途中の百姓家に駕籠をとめ、
離れ家におともない申し、いろいろご介抱もうしあげましたところ、ようやくのことで御....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
にいる私の姉が、来月この地に来るならば、これに妹を托して私は庄原のあの森と池との
離れ家に帰ろうかとも思っています。妹と私とは同じような生活をするのはよほど無理で....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
慣であります。その仏堂に私は住み込むことになりました。その仏堂の向いにまた小さな
離れ家があって博士はそこに住んで居ります。で博士と私との御膳を拵えるために一人の....
「澪標」より 著者:外村繁
、膳所中学に入学し、次兄とともに脇村先生の許に預けられる。脇村先生は淡水魚問屋の
離れ家を借り、私達は自炊していた。 その
離れ家のま下は掘り池になっている。鯉や....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
―― 「四十|不惑というが、おれは四十を七つも越えてからあんな失策をやって、禄を
離れ家名をつぶし、剰え独りの子まで他国へ流浪させてしまった。……考えれば慚愧にた....