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「離れ業〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

離れ業の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
ょう。ちょいと、これでも家の世話が私にゃ出来なくって?」 さすがに夫人もこれは離れ業であったと見え、目のふちが颯となって、胸で呼吸をはずませる。 その燃ゆる....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
、根岸の宵の、蛍のような水々した灯の中へ消込んだ。 蝙蝠のように飛ぶんだもの、離れ業と云って可い速さなんだから、一人でしばらく突立って見ていたがね、考えて見る....
蠅男」より 著者:海野十三
ながら、熱情に生きる男だった。その熱情が本当に迸り出たときに、彼は誰にもやれない離れ業を呀ッという間に見事にやってのけるたちだった。今までは、蠅男を探偵していた....
縮図」より 著者:徳田秋声
沢正が、東京の劇壇へ乗り出し、断然劇壇を風靡していたが、一つは水際だった早斬りの離れ業が、今までのちゃんばらに一新紀元を劃したからでもあり、机|龍之介や月形半平....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
してよく殺されもしないものだ」と言って、彼女の成行きを憂えたくらい、彼女は際どい離れ業をして来たのであった。華族の若さまなどが入り浸っていた女給時代に、すでにそ....
少年探偵長」より 著者:海野十三
コプターの中へずんずん引きあげられているのにちがいない。 ヘリコプターは、この離れ業をたいへんすばしこくやってのけると、早やぐんぐん上昇を始めた。 「ひどい奴....
怪塔王」より 著者:海野十三
いえ、ここでいよいよ飛行機を怪力線でやかれるとはくやしいことです。 空中の離れ業 1 怪塔ロケットと青江機をつないでいる麻綱は、いまや赤い焔に....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
はなに一つもちあわしていない。 ああわれらの大勇士川上機関大尉の運命やいかに?離れ業 われ等の大勇士川上機関大尉が危い! 重大命令をうけて秘密の飛行島に忍....
重兵衛さんの一家」より 著者:寺田寅彦
ことを考えることもある。それはとにかく、亀さんが鳥人になったらおそらく人並以上の離れ業を演じ得る名操縦士になったことであろう。 亀さんの妹の丑尾さんとはあまり....
地虫」より 著者:小栗虫太郎
でほぼ確実にされたわけである。彼以外に、彼を除いては、密室を切り破るなどという、離れ業が演じられようか。船場の遺書も自分の運命も――と、左枝は心に、なんとなく曙....
あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
蔵しながら、必要に応じて、そのうちのあるものを、自由に楽々と表面に押し出す一種の離れ業である。 この種の素質の向上と、才能の訓練は、作家が作中人物のそれぞれに....
奇巌城」より 著者:菊池寛
証人であるこの爺さんの口を閉じさせてしまったこれは、あのルパンでなくては出来ない離れ業である。 しかしボートルレ少年は堅く決心して、毎日シャレル爺さんを訪れた....
水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
段は――咄!怪物!人間をトランクに詰めて、しかも自動車の屋根で運搬するなどと云う離れ業は、ルパンならでは出来ない事だ。しかもそれを他人の前で平然として事もなげに....
良寛様の書」より 著者:北大路魯山人
して、世間の迎うるところとはならない。よほどの信念と勇気あるにあらざれば型破りの離れ業は出来得るものではない。例えば木菴の弟子に良寛様のような態度の者があったと....
」より 著者:織田作之助
、その時その踊りに憧憬の眼を注いでいると見えた三人の女専の生徒を同時にものにする離れ業によって解決されると思った。応援団の者になぐられたことが彼を勇気づけた。五....