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「離反〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

離反の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
渾沌未分」より 著者:岡本かの子
っと苦労して来た貝原にむしろ性格の頼み甲斐を感じるのに、肉体ばかりはかえって強く離反して行こうとするのが、今日このごろはなおさらまざまざ判って来た。 自分の肉....
島原の乱」より 著者:菊池寛
上の圧迫も残虐で宗徒を温泉(雲仙嶽)の火口へ投げ込んだりした。領主の暴政に、人心離反して次第に動揺し、流言|蜚語また盛んに飛んだ。――病身がちであった将軍家光は....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
二カ年半住みなれた、督弁公署を捨てゝしまった。ここを捨てれば全然の没落だ。民心は離反している。張作霖からは、譴責を喰っている。没落以外に道はない。中津は、それを....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
をしても一番の先鋒隊から十六番隊までの諸隊を芸州表に繰り出させ、長州はじめ幕府に離反するものを圧倒しようとするこの軍役の前途には、全く測りがたいものがあった。た....
ジャーナリズム雑感」より 著者:寺田寅彦
た殺人のセンセーションを享楽することができるのである。それがたとえ事実とどれほど離反していても、そんなことは元来加害者にも被害者にも縁故のない赤の他人の一般読者....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
範疇との取り引きを見失わなかったという点に横たわる。自然科学的・技術的・範疇から離反するにしても、少なくともその離反に就いて一定の反省なしにはいられないのがその....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
気息をもってる者は、きわめて少ない。 クリストフの態度は、新しい友人らをすぐに離反さしてしまった。彼らの同情は一の取り引きであった。彼らが彼の味方であるために....
肝臓先生」より 著者:坂口安吾
これが事件のはじまりだ。 主人と女中の報告をきいて、全従業員は結束して、隔離反対を陳情した。赤城先生がシサイに全身検査をして、チブスの疑いなしと診断したの....
自然現象の予報」より 著者:寺田寅彦
わゆる偶然の決する所なるべし。この場合においても予報の意味は世人の期待と甚だしく離反すべし。 実際の地殻においてはその弱点の分布は必ずしも簡単ならず、しかもお....
便乗型の暴力」より 著者:坂口安吾
をあげれば、容疑者ならびに共産党側の言い分は、左翼の犯行と思わせて民心を左翼から離反させるための右翼の陰謀だというのである。 ところが両々自分の言い分を応酬し....
血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
て見せる! 俺を殺生関白だという! 殺生ならぬ人間がどこにある! 政治に暗く人心離反し衆人俺を笑うという! 伏見の爺が悪いからだ! 爺が政治を執っているからだ。....
オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
に、ふと彼等の胸を、ドキンと突き上げたものがあった。 と云うのは、はじめ座員に離反されて、失踪して以来、かれこれもう、二ヵ月にもなるのだが、それにも拘らず、生....
赤い壺(三)」より 著者:種田山頭火
物を弄ぶのはその物の真髄を知らないからである。理解は時として離反を齎《もた》らすけれど、断じて玩弄というような軽浮なものを招かない。 鏡を....
砕けた瓦」より 著者:種田山頭火
と努めずして、理解することを恐れている。理解は多くの場合に於て、融合を生まずして離反を生むからだ。反き離れんとする心を骨肉によって結んだ集団! そこには邪推と不....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
つづけていたが、一座の座頭たるに適しないらしい彼女の性格が累をなして、一座の者に離反された。彼女は自分の弟子だけを引き連れて、それからそれへと流れ渡るようになっ....