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「離愁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

離愁の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虞美人草」より 著者:夏目漱石
人ではなかった。五年は昔である。西東《にしひがし》長短の袂《たもと》を分かって、離愁《りしゅう》を鎖《とざ》す暮雲《ぼうん》に相思《そうし》の関《かん》を塞《せ....
追憶」より 著者:芥川竜之介
火花に何か悲壮な心もちを感じた。 それから何年かたったのち、僕は白柳秀湖氏の「離愁」とかいう小品集を読み、やはり歩兵の靴から出る火花を書いたものを発見した。(....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
たう歌、危険な山坂を超ゆる時、魔除《まよけ》を兼ねて歌いつけの歌、心なく歌っても離愁《りしゅう》の思いが糸のように長く引かれる。 「ホホホ、こう歌いますと、なん....
百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
れ返って居る、村落駅々から送られて出る光景には慥《たし》かに一抹の哀々たる人間的離愁がただよっていないという事はない。すでに斯うして武装した軍隊を見ると秋霜凜冽....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
お通の口真似をして、城太郎はみんなを笑わせる。 彼を加えてから、それまでは離愁につつまれて、しめッぽい顔して歩いていた巫女たちの群れも、急に華やいで、 「....
早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
て、遠い異国に移住する者の如き大なる勇気を要すると同時に、またその者と同じい深い離愁を味わわねばならないだろう。然り而うして、神楽坂を離れて牛込はなく、牛込に住....