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「離縁状〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

離縁状の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
めかけ》も囲い者もあるかな、おれには女はお前|一人《ひとり》よりないんだからな。離縁状は横浜の土を踏むと一緒に嬶《かかあ》に向けてぶっ飛ばしてあるんだ」 とい....
真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
前は何も気を揉むことはないやね、お母《っか》さんも呆れて出て行《ゆ》けというから離縁状を貰っておくんなさい、私は仇打《あだうち》は出来ません、仕方なしに仇を打つ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
新しい一封の書状、お浜は不審顔《ふしんがお》に手に取って見ますと、意外にもこれは離縁状、俗にいう三行半《みくだりはん》でありましたから、 「これは私に下さる離縁....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
なたとは永く面白い芝居を見ましたから」 「ここらで幕を下ろそうというのかな」 「離縁状を書いて下さい」 「誰に断《ことわ》った縁でもない、いまさら三行半《みくだ....
油絵新技法」より 著者:小出楢重
うのない形を描く事において妙を得ていたのである。 これは甚だ僥倖な事で、他人の離縁状を使って新らしき妻君を得たようなものである。 しかしながら、何か日本人の....
阿繊」より 著者:田中貢太郎
て悪いことをしたことがありませんのに、この頃は人並に待遇せられません。どうか私に離縁状をください。そして、あなたは自分で良い奥さんをおもらいなさい。」 そうい....
丹下左膳」より 著者:林不忘
て、 「手切《てぎ》れ金か、いやもっとも。話は早いがいい。どのくらいで諏訪氏その離縁状を出すだろうの?」 「さようでございます。まとまったお金は五十両一度におも....
四十八人目」より 著者:森田草平
た。「なに、なるようになる分のこと、そこまでは考えていられませぬわい」 「拙者は離縁状だけは渡してまいりました。しかし相続人とてはなし、渡さぬからとて、女子ども....
女大学評論」より 著者:福沢諭吉
何なる場合にても双方の相談合意に非ざれば離縁するを得ず。三行半《みくだりはん》の離縁状などは昔の物語にして、今日は全く別世界なりと知る可し。然《しか》るに女大学....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
でろくに口もきかないが、其様なに私が気に入らなければ、お母さんに話を附けて貰って離縁状を書いて下さいよ」 かめ「おえいは私には只た一人の可愛いゝ娘、其の連添う夫....
巷説享保図絵」より 著者:林不忘
っていた。 「この証文を御処分願う前に、一こと伺いたいことがございます――正式に離縁状が出ていない以上、たとえ何年別れておりましても、妻は妻、良人は良人でござい....
贋物」より 著者:葛西善蔵
慰めるようにも言った。ことに老父の怒ったのは、耕吉がこの正月早々突然細君の実家へ離縁状を送ったということについてであった。その事件はまだそのままになっていたが、....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
七の居る座敷へ出てまいりました。 安「万年町さん、エヽ仰せの通り若主人伊之助に御離縁状を書かせて持って参りました」 と差出すを受取り、 政「お父さんが出さない....
それから」より 著者:夏目漱石
ら父が、自分の自然に逆らって、父の計画通りを強いるならば、それは、去られた妻が、離縁状を楯《たて》に夫婦の関係を証拠立てようとすると一般であると考えた。けれども....