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離苦
「離苦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
離苦の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
を山の方に捧げ、ひょこひょこひょこと三つお叩頭《じぎ》をして、置いて帰った。愛別
離苦の悲しみと偉大なものに生命を賭ける壮烈な想いとで翁の腸は一ねじり捩れた。こど....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
の銘々も多勢ぞろ/\と渡邊織江の世話になった者が、祖五郎お竹を送り立派な侍も愛別
離苦で別れを惜んで、互に袖を絞り、縁切榎の手前から別れて岩吉は帰りました。祖五郎....
「謀叛論(草稿)」より 著者:徳冨蘆花
墓に縋りついてはならぬ。「もし爾の右眼爾を礙かさば抽出してこれをすてよ」。愛別、
離苦、打克たねばならぬ。我らは苦痛を忍んで解脱せねばならぬ。繰り返して曰う、諸君....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
久しからずして、ヌーマ王は竟《つい》に崩御した。女神エジェリヤは始めて人界の哀別
離苦を知り、天にあこがれ地にかこちて、幾夜この森中に泣き明した。果ては泣きの涙に....
「春昼」より 著者:泉鏡花
らいありがたい事はありますまい。恋は叶う方が可さそうなもんですが、そうすると愛別
離苦です。 唯死ぬほど惚れるというのが、金を溜めるより難いんでしょう。」 「真....
「自由画稿」より 著者:寺田寅彦
喜怒愛憎の高潮に伴なう涙は理知や道徳などとは関係の薄い情緒的のものであるが、哀別
離苦の焦心の涙にはよほど本能的なものがあって、純粋な肉体の苦痛によるものとかなり....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の雉子《きじ》で酒を飲みはじめたようです。 この連中は、人生の離合集散も、哀別
離苦も、さのみ問題にはしていない。きょうあって、あすはなき命と、覚悟はきまってい....
「二十六夜」より 著者:宮沢賢治
念せよ、我今|汝《なんじ》に、梟鵄《きょうし》諸《もろもろ》の悪禽《あくきん》、
離苦《りく》解脱《げだつ》の道を述べん、と。 爾迦夷《るかい》、則《すなわ》ち....