難中の難[語句情報] »
難中の難
「難中の難〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
難中の難の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「デンマルク国の話」より 著者:内村鑑三
う》をもってするのであります。このことはさほどの困難ではありませんでした。しかし
難中の難事は荒地に樹を植ゆることでありました、このことについてダルガスは非常の苦....
「倫敦消息」より 著者:夏目漱石
こぶる疑わしい。広い世界にはあるだろう。けれどもそれに逢着《ほうちゃく》するのは
難中の難事である。我輩の先生の処が一間あいておれば置てもらうのだけれども、それは....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
は、〈馬頭角を生ずるはまた難きにあらず、山上に舟を遣るもまた難からず、難きはこれ
難中の難一あり、夕陽門外人を待つこと難し〉。この起句は、文部省刊行俚謡集、伊賀阿....
「野に声なし」より 著者:豊島与志雄
を或る境地に据えつけるのは、まださほどの難事ではない。魂に光を放たしむることは、
難中の難である。 それは、外的刺戟をも内的刺戟として生かし得る人、常に敬虔な真....
「白銅貨の効用」より 著者:海野十三
、中々あたること六ヶ|敷く、殊に風に樹のゆれて的のクルクル動き出すに於ては、更に
難中の難であって、もし之を美事に仕止めるようだと、莫大なる会費を出して射撃|倶楽....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
じられたのかも知れない。 実に秋田犬と共存共栄して、己れの大を誇るということは
難中の難事である。それに雪国というものは、どっちを見まわしても物のすべてがうら悲....
「俳人蕪村」より 著者:正岡子規
《くかく》のうちに変化極まりなく活動止まざる人世の一部分なりとも縮写せんとするは
難中の難に属す。俳句に人事的美を詠じたるもの少きゆえんなり。芭蕉、去来はむしろ天....
「霊的本能主義」より 著者:和辻哲郎
人がある。雪隠に烟草を吹かし帽子の型に執着する子供を「人」たらしむべき教育は実に
難中の難である、ああ、かくして虚栄は人を魔境にさそい堕落の暗礁に誘うローレライで....
「三国志」より 著者:吉川英治
がて、 「それは実に難しいことですね。功を立てることは易しいが、実果を収めるのは
難中の難事です」 と、若者らしく率直な言葉でいった。 「難しいとは、どう難しい....