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「難所〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

難所の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
やく解放されて来た葉子に取ってはなつかしくばかりながめられた。こここそは屈強の避難所だというように葉子はつくづくあたりを見回した。そして部屋《へや》のすみにある....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
では、毒瓦斯がやってくると、やられちまうぞ。悪いことは云わぬ。その辺の、毒瓦斯避難所へ、隠れていたまえ。生命が無くなるぞ」 「毒瓦斯かネ」印袢纏は、やや悲観の声....
海底大陸」より 著者:海野十三
間か、それとも獣か? とにかくかれは、これまでにあったことのないようなふしぎな難所にとじこめられているのを知った。かればかりではない。五千人に近い人間をのせた....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
を語ることを恐れているから良心をはぐくみ、おのれに真実を語るを恐れてうぬぼれを避難所にする。世の中そのものがばかばかしいのにだれがよくまじめでいられよう! とい....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
門をくぐると、蟹の横這いとか、釣瓶さがりとか、片手繰りとか、いろいろの名が付いた難所に差しかかるのです。なにしろ碌々に足がかりも無いような高いなめらかな岩の間を....
氷河期の怪人」より 著者:海野十三
った。これは全航路の中で、一等あぶないところであった。ヤヨイ号は、ついに、この大難所にさしかかった。機の高度は、八千メートルであった。 山脈中の最高峰は、八千....
英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
って、イギリス本土へ避難して来たことをも報じていた。 “今やイギリス本土は国際避難所の如き感がある!” などという記事も見える。 “必要ならば、フランス政府も....
月世界探険記」より 著者:海野十三
と、意味ありげな言葉を漏らした。 月世界上陸 月世界の探険に於て、一番難所といわれるのは、無引力空間の通過だった。その空間は、丁度地球の引力と月の引力....
空襲下の日本」より 著者:海野十三
でも避難することになるだろう。しかし逃げるのが厭なら、お前も働くのだよ。例えば避難所や消毒所で働くのだよ」 「避難所や消毒所? それ、なアに」 「避難所は毒瓦斯....
空襲警報」より 著者:海野十三
長は、そこで肚をきめて、命令を発した。少年達を召集して、警護、警報、交通整理、避難所管理の各班に分属させること、救護班、防火班、防毒班、工作班は大人がやること…....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
内して下さるので、少しも心配なことはありませぬが、それでもところどころ危つかしい難所だと思ったこともございました。又道中どこへ参りましても例の甲高い霊鳥の鳴声が....
「別居」について」より 著者:伊藤野枝
れは、辻に対する愛でした。私はいつでもそこに逃げ込みました。そうして、私のその避難所が世間並みの安易な「あきらめ」などのような弱いものでなく、充分に信をおく事の....
新しき世界の為めの新しき芸術」より 著者:大杉栄
かし私は劇を迷信してはいない。劇は、貧しいそして不安な生活が、其の思想に対する避難所を夢想の中に求める、と云う事を前提とするものである。若し吾々がもっと幸福でも....
壁の眼の怪」より 著者:江見水蔭
ら先へは普通の人の出入を許さないのであった。 入折戸に着くまでが既に好い加減の難所であった。それから蕨峠を越していよいよの三里は、雪が降れば路が出来るけれど、....
丹那山の怪」より 著者:江見水蔭
衛門の家でも、高島田の娘は行燈の影に坐って泣いた。 その明くる日は洞道越という難所を通って再び丹那の山田家に帰り、これでほぼ巡検の任務を果したのであった。 ....