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難易
「難易〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
難易の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
この世の光を見たものは、このようにして世の光を見た。二番目も三番目も、生れように
難易の差こそあれ、父と母とに与えた不思議な印象に変りはない。
こうして若い夫婦....
「人間失格」より 著者:太宰治
ょうが、しかし、それよりも、肉親と他人、故郷と他郷、そこには抜くべからざる演技の
難易の差が、どのような天才にとっても、たとい神の子のイエスにとっても、存在してい....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
及びません、いわば先ず造化の仕事で人間業ではないと云っても好いのです、唯其の中に
難易があり、薄い色素を濃くするは易しいですが、濃い色を薄くするは極めて困難な事柄....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
と思っていたことが、動いてみると案外やれないことは珍しくない。(この場合の動きの
難易は技術的な意味よりもむしろ生理的な意味を多く持っている。) 自分で動いてみ....
「空襲下の日本」より 著者:海野十三
この灯火管制がうまく行われているか、いないかによって、敵の航空軍が東京を発見する
難易が定まる。真暗になっていると、その上を通っても、畠地だか山林だか市街だかわか....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
、云えるのであって、探偵小説の謎も能うかぎり卑近な常識的な材料を使い、その推理の
難易程度もこの辺の中庸に停め、且つその謎の答が相当センセイショナルなものを……。....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
常識水準かが、当然読者に向かって要求されるのであって、この水準を抜きにして文章の
難易を論じても意味がないのである。つまり内容のムツかしいものは読む文章もムツかし....
「女大学評論」より 著者:福沢諭吉
清潔法に注意し又子供を養育する等は都て人生居家の大事、之を男子戸外の業務に比して
難易軽重の別なし。故に此内事の経営を以て妻が夫に仕うるの作法なりと言えば、夫が戸....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
と今までの寄宿舎生活と違い、すべてが複雑になって来て、それぞれの事情により生活の
難易が岐れて来る。もちろん中村屋で少年期から青年期を実直に働き、無用の散財をしな....
「学問の独立」より 著者:福沢諭吉
にして行政部内の人なれば、教育を受くる学生を禁じて政治の心なからしめんとするは、
難易を問わずしてまずそのよくすべからざるを知るべし。 あるいは生徒を教訓警戒し....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
化粧の間の御用具の中でも御鏡は尊いもの、畏きあたりの御目にも留まることで、仕事の
難易はとにかく事疎かに取り掛かるものでないから、斎戒沐浴をするというほどではなく....
「学者安心論」より 著者:福沢諭吉
迫りてただちに不平を訴え、ますますその拙陋《せつろう》を示さんと欲するか。事物の
難易軽重を弁ぜざる者というべし。 ゆえにいわく、今の時にあたりては、学者は区々....
「学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
るは難きにあらず。かつ官にありて公務を司《つかさど》るも私にいて業を営むも、その
難易、異なるの理なし。もし官の事務|易《やす》くしてその利益私の営業よりも多きこ....
「妖怪学」より 著者:井上円了
合の力弱くして、甲乙および甲丙の連合の力強きによる。これ平常、我人の記憶の再起に
難易の別あるゆえんなり。例えば、だれにても、その友人に同姓の人三名ありと仮定する....
「比較科学論」より 著者:中谷宇吉郎
、ちょっとした実験ですぐ分る。いずれにしても、犯人が分っていて、それを捕えるのに
難易があるのであるから、これは警視庁型といった方がよいであろう。 ところが、こ....