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「難物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

難物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
俊寛」より 著者:芥川竜之介
》の御房《ごぼう》と、御親しいように伺《うかが》いましたが。」 「ところがこれが難物なのじゃ。康頼は何でも願《がん》さえかければ、天神地神《てんじんちじん》諸仏....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
速だが、おまえさん達は竜濤寺の一件で出張って来なすったんだろうが、あいつはちっと難物だね」と、甚右衛門は顔をしかめた。 「わたし達の縄張りの内の仕事じゃあありま....
黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
さんに見込まれたんで、宜しおま、と引受けましたが、何でもないと思うたが、之が中々難物だした。というのは、和武は十八の年に子爵家を出て、それから二三年はあちこちと....
霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
、ふうーッと溜息をついた。推理は、やっと半道《はんみち》来たばかりだ。その先が、難物《なんぶつ》だ。とても手におえそうもない。 が、勇敢にぶつかろう。 音声....
連環記」より 著者:幸田露伴
うに芟り倒されるばかり、平和の世なら自分から志願して狂人になる位が結局で、社会の難物たるに止るものだが、定基は蓋し丈の高い人だったろう。そこで右衛門は自尊心や自....
南地心中」より 著者:泉鏡花
んで呼び留めた。 (丁稚々々、)と今度は云うのさ。」 聞く男衆は歎息した。 「難物ですなあ。」 十三 「それからの狂犬が、条理違いの難題といっち....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
ある。時とすれば又霊界の居住者が、自分自身の修行の為めに、求めて手にあまるような難物の指導を引き受け、一歩一歩に向上の進路を切り開くものもある。時とすれば又単な....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
これが「若い人」であるか。その謎々を解けという仕組みのオモチャなら智恵の輪よりも難物だ。しかし、智慧の輪はいつかは解けるが、こッちの方は永久に解けそうもないや。....
貞操問答」より 著者:菊池寛
いて、それで、ときどき何か云い出すらしいのよ。」 話の様子だけで察しても、頗る難物であるらしい。だが、新子はどうせ働くからは、出来るだけ、やり甲斐のある難局に....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
けがまあまあで」 「だから俺が教えたのさ。三人住んでいるのだからな」 「娘ッ子が難物でございましたよ」 「そうだったろう、大いに察しる」 「いつご用に立てますの....
雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
キーの機械的不備の問題は撮影所だけにとどまらない。これを上映する館の再生機という難物が控えている。再生機にもピンからキリまであつて、田舎のほうではそのうちもつぱ....
墓地の殺人」より 著者:小酒井不木
ごみの中にも、これというものが発見されない。僕は墓地で死体を見た瞬間、この事件は難物だと思ったが果たしてそうだった。この上は解剖の結果を待って、何かの手掛かりを....
雪柳」より 著者:泉鏡花
から、私は禅が。…… はてな、雪の家の、ここの旦那なるものが変に「喝。」がった難物かも計られぬ。…… 「ああ、はじめまして、あなたが間淵さんの、お娘ご。」 ....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
けられては、私も少しく面食わざるを得ない。宜しく頼むと云われても、これは余ほどの難物である。例えば、蟹だか蛸だか鮟鱇だか正体の判らぬ魚を眼前へ突き付けて、「さあ....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
もう出来ている。 タレス(小声にて。) それからも一つ外な方面から見ても難物だ。 己の考えた所では、こいつは半男半女だ。 変形の神 それは却て旨....