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「難病〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

難病の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
っぱり十二指腸の潰瘍《かいよう》だったけれど、半月ばかりで癒ったと云うしね、そう難病でもなさそうだからね。――」 慎太郎は今になってさえ、そんな事を頼みにして....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
とにしたのですが、先生は病人の容態を篤とみて眉をよせました。 「これは容易ならぬ難病、所詮わたしの匕にも及ばぬ。」 医者に匕を投げられて、姉も弟もがっかりしま....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
た。で、新聞の準備もほとんどみんなに任せきりにしている間に、こんどはチブスという難病に襲われた。 僕の病気は上海の委員会との連絡をまったく絶たしてしまった。T....
絵本の春」より 著者:泉鏡花
送ってやろう。 ――旧藩の頃にな、あの組屋敷に、忠義がった侍が居てな、御主人の難病は、巳巳巳巳、巳の年月の揃った若い女の生肝で治ると言って、――よくある事さ。....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
岐阜の病院の里見といえば、家族雇人一同神のごとくに崇拝する、かつて当家の主人が、難病を治した名医、且つ近頃三由屋が、株式で伊勢の津に設立した、銀行の株主であるか....
神サマを生んだ人々」より 著者:坂口安吾
遣り口ですよ。彼は彼女に神サマをやらせることができるのです。その神サマを動かして難病を治すこともできます。まったくですよ。カンタンに治っちまうのが、相当数いるん....
わが精神の周囲」より 著者:坂口安吾
あげる。サービスしても、せなんでも、一人百円。人助けのためにしていることだから、難病が三日で治った、先生、ありがとう、こう云われゝば、胸がはれる。何百万円つんだ....
人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
れ。 と、戸板を蹴ると、今度は裏に返り、藻をばらりと被った小仏小平が、「お主の難病、薬下され」と、片手を差し出すかと思いのほか、それも背後を向いているのだった....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
は漢法ではあるが、なかなかの名医でありました。 私の病気は何んとも病名の分らぬ難病であって、一時はほとんど家内のものも絶望した位で、私も覚悟を極めておったので....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
ねて懇意の合田義和氏が計らず来訪されました。この人はこの前話した漢法の名医で私の難病を癒してくれた人であります。 「どうですね。お身体は悉皆よくなりましたか」と....
隠亡堀」より 著者:国枝史郎
落とした。 果たして小平の死骸があった。 死骸はカッと眼を剥いた。 「お主の難病……薬下せえ」 「うんにゃ」 と伊右衛門はかぶりを振った。 「俺は要求を拒....
雪柳」より 著者:泉鏡花
ない悪業、罪障、それを滅するこの灸の功力ぞに。よって、秘法やぞに。この法は、業病難病、なみなみならぬ病ともまた違うて……大切な術ゆえに、装束をあらためて、はじめ....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
って居る範囲内で薬を盛ってやりますと不思議に病人が治るです。ことにチベットで最大難病としてわずらえば必ず死病とされて居る病気がある。其病は水腫病で脚気のようでは....
ヒルベルト訪問記」より 著者:高木貞治
忘れてしまいました.僕は今それを思い出したのです.毎日三十匁の生肝を食って不治の難病と戦いつつも,駿馬も老いては揚足を若い助手連に時々は取られながらも,どうして....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
、私は血など出るのを見るのは大嫌いだが、仕方無しに出て参りました」 政「飛んだ御難病で嘸御心配な事でございましょう、少々お父さまにお願いがございまする、私のため....