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難症
「難症〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
難症の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「こころ」より 著者:夏目漱石
なたのお父さんの事を忘れていたのです。そのくせあなたが東京にいる頃《ころ》には、
難症《なんしょう》だからよく注意しなくってはいけないと、あれほど忠告したのは私で....
「創生記」より 著者:太宰治
にてこの山奥の温泉に来り、なかば自炊、粗末の暮しはじめて、文字どおり着た切り雀、
難症の病い必ずなおしてからでなければ必ず下山せず、人類最高の苦しみくぐり抜けて、....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
眠られぬと。これすなわち猿子眠りだ。予はこれを知らず高山に寒夜平臥して足を不治の
難症にしおわったから、記して北荒出征将士の参考に供う。このついでに第四図に示すロ....
「村井長庵記名の傘」より 著者:国枝史郎
などと口では云いながら心の中では反対である。 「この病気が癒るものか。無比の
難症労咳だからな」 形ばかりに脈を見ると。 「今日は大いによろしゅうござる。ど....
「作家としての小酒井博士」より 著者:平林初之輔
ちろん、博士がしじゅう病気と闘っておられたこと、博士を悩ましていた病気は、かなり
難症であったことは知らぬではなかった。だが、博士と死とをむすびつけて考えたことは....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
気が移って、わたくしに背中をお向なさいます。
メフィストフェレス
ちっと
難症だが、まあ、お聞なさい。
そっとその男の傍へ寄って、
上衣の袖でも肩でも、出....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
脱疽の療治などは長崎へ往かなければ見ることは出来んそうで。 医「先ず是はどうも極
難症で、脱疽に相違ない、至極の
難症にして多く鬼籍に入るを免れずと医書に有る、鬼籍....
「それから」より 著者:夏目漱石
ないと云った。もしそうだとすれば、心臓から動脈へ出る血が、少しずつ、後戻りをする
難症だから、根治は覚束《おぼつか》ないと宣告されたので、平岡も驚ろいて、出来るだ....