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難航
「難航〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
難航の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
顔を出した弦月の光に、高く盛りあがった濤頭が、夜目にも白々と映った。 僚艦も稍
難航の体で、十度ほど傾斜しながら、艦首から、ひどい浪を被っていた。 鹿島灘....
「海底大陸」より 著者:海野十三
の時刻の前後においても遭遇せず。ついに船影すらもみとめざりき。海上は風やや強きも
難航の程度にあらず」 果然、ルゾン号は、クイーン・メリー号と、たしかにすれちが....
「灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
質は、明らかに犬吠灯台のそれであり、だから執拗なガスに苦しめられて数日間にわたる
難航をつづけて来た北海帰りの汽船は、毎三十秒に一閃光を発するその怪しげな灯質をう....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
女には僥倖という気持と、当然という自信に充ちた気持とが縺れ合った。 芸術という
難航の世界、夫をそれに送りつけ、自分もその渦中に在る。つくづくその世界の有為転変....
「火星探険」より 著者:海野十三
ことは大急ぎでやらなければならなかった。 生憎《あいにく》と宇宙艇はこれまでの
難航によって、方々が壊れた。その都度応急処置をとったのであるが、何分にも航行の仕....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
り直した。そして同室の二人を促して、ふたたび展望室へ駈けあがっていったのである。
難航 展望室には、魚戸がいるだけだった。 ミミの姿も見えなかったし、その夫た....
「地底戦車の怪人」より 著者:海野十三
思っていただきたい。 作者しるす 極南へ アメリカの貨物船アーク号は、大
難航をつづけていた。 船は、あと一日で、目的の極地へつくはずになっていたが、あ....
「太平洋雷撃戦隊」より 著者:海野十三
消して前進しているはずです。又、後には、第九、十、十一の三艦が、これも同じような
難航をつづけているはずです。五分おきにコツコツと水中信号器が鳴って、おたがいが航....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
波浪はますますたけりくるう。艦体は、前に後に、左に右にとゆれながら、海面を縫って
難航を続けた。 しばらくして、ジジジ……と電話のベルが鳴った。 下士官は右手....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
がある。梅野十伍は、普段そんな定義にあまりこだわらない方であるが、この際は原稿大
難航の折柄のこととて、一方の血路を切り開いて兎も角も乗り切ることが第一義であった....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
してお伝えする事も甚だ六つかしい。私自身も油絵という船に目下皆様と共に乗り込んで
難航最中なのである。燈台から燈台へ港から港へと辛じて渡りつつあるのだ。何時暗礁に....
「わが精神の周囲」より 著者:坂口安吾
ものであろうと思う。その反面、全部の完成を見るまで発表を控えたものは、二年三年の
難航はあっても、それぞれ完成しているのである。私はその運命を怖れた。そして、新潮....
「能面の秘密」より 著者:坂口安吾
たのみになるのがメクラ一人の証言だから特ダネを握って颯爽と出発した辻も早くも捜査
難航、キメ手がないと訴えている有様であった。 * 奥さんがゆす....
「審判」より 著者:カフカフランツ
は、腰かけることが彼には気持よかったにちがいなかった。まるで船酔いのようだった。
難航中の船に乗っているように思われた。水が板壁の上に落ちかかり、廊下の奥からはか....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
風がイギリスをほとんどたたきつけたという牒報が到達したのだった。その艦隊は十日の
難航の後に、からくも逃げ帰ったという。そこで、キング・フィリップの無敵艦隊もまた....