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難行苦行
「難行苦行〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
難行苦行の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
話した。しかしさっき出逢ったときの赤座の様子から考えると、彼はそんな行者のような
難行苦行をする人間らしくも思われなかった。夜がふけても彼は帰って来なかった。彼は....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
使徒になろう!」 恋に破れた若侍が、翻然心を宗教に向け、人間の力の能う限りの
難行苦行に身を委ねてから、五年の歳月が飛び去った。 その時、多くの世人から、光....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
っていないのです。それがせめてもの良心です。私の誇りです。私はむしろ、かくかくの
難行苦行をすれば助けてやると言ってほしいのです。どんな苦しい目でもいいと思います....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
いたら、実はお下屋敷の方へ参られませんから、此方へ参ったのでございます、旅で種々
難行苦行をして、川を渉り雪に遇い、霙に遭い風に梳り、実に難儀を致しましたのが身体....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
如来の仏像もない。神前の御簾のかげに置いてあった経机もない。高山をその中心にし、
難行苦行をその修業地にして、あらゆる寒さ饑じさに耐えるための中世的な道場であった....
「映画雑感(Ⅲ)」より 著者:寺田寅彦
多数の日本の都人士には到底了解のできない不思議な生活である。 ベナレスの聖地で
難行苦行を生涯の唯一の仕事としている信徒を、映画館から映画館、歌舞伎から百貨店と....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
は恋愛というとき甘い快楽などは思わない。ただちに苦痛を連想する。宗教を連想する。
難行苦行を思う。順礼を思う。凝りたる雪の上を踏む素足のままの日参を思う。丑の時参....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
、巡礼と云えば乞食同様で、野に臥し山に寝、或は地蔵堂観音堂などに寝て、そりゃもう
難行苦行を積まなけりゃア中々三十三番の札を打つ事は出来ぬもんじゃ、何う云うものだ....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
た。 百合 里では人死もありますッて……酷い旱でございますもの。 学円 今朝から
難行苦行の体で、暑さに八九里悩みましたが――可恐しい事には、水らしい水というのを....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
ジは慄え上った。そして、前額から汗を拭き取った。 「そうして坐っているのも、私の
難行苦行の中で決して易しい方ではないよ」と、幽霊は言葉を続けた。「私は今晩ここへ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
は獲られそうもない。断食に対する注意なども、非常に穏当な意見である。バラモン式の
難行苦行が、寧ろ百弊の基であることは、私自身の経験から言っても動かし難いところで....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
も大ぶ応用されて来た。手を出したくて堪らんのを、じっとして辛棒している。こういう
難行苦行の真似も、ちょっと面白いものだ。蚊帳の中に蚊が一匹はいっても、泣っ面をし....
「稚子法師」より 著者:国枝史郎
ある。 三 僧になってからの彼主水は普通の僧の出来ないようなあらゆる
難行苦行をした。そうして間も無く名僧となった。阿信というのが法名であったが世間の....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
思い、辛えのを忍び国を出る時に纔かに六百の銭を持って来たが、途中で悪者に出遇い、
難行苦行して漸く江戸へ着いた所が、頼る所もねえので身投げて死のうかと思う所を助け....
「壁の眼の怪」より 著者:江見水蔭
たりし、岩山をよじ登り、絶壁を命綱に縋って下り、行手の草木を伐開きなどして、その
難行苦行と云ったら、一通りではないのであった。 勝|国手と立花画師との他は、皆....