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難詰
「難詰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
難詰の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「古典風」より 著者:太宰治
《さや》を払って。 『何ごとぞ。』アグリパイナは、威厳を失わず、きっと起き直って
難詰《なんきつ》した。応《こた》えは無かった。 宣告書は手交せられた。 ちら....
「職工と微笑」より 著者:松永延造
へへへへへ―へへへへへ」と私は唯笑って跡に従った。けれど、「貴方は盗んだね。」と
難詰する事を何故か控えて了った。此の忍耐が何よりも悪かったのである。私は何も弁解....
「ラ氏の笛」より 著者:松永延造
陳謝する如く、そう私へ囁《さゝや》いた。私はその一言を聴くと、最早|何《ど》んな
難詰の言葉を見出す力をも失った。そして、この夜こそ、恐らく、彼れが大きな天空を眺....
「二人いるとき」より 著者:宮本百合子
なに勤めているもののよろこびと慰安だか分ってないんですのね、きっと」 いくらか
難詰の声で小枝子が云った。そして、 「何しろ、現にこういうのがあるんですからね」....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
る時刻に真仮の二様あったとて、かかる国民に何の史実何の誠意を期待し得べきと手酷く
難詰しあったそうで、その訳文を京阪の諸紙で見た。陰陽道《おんようどう》で日や時の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
」 どちらも、その意外であったという心持は同じことで、ただ一方が怒気をふくんで
難詰《なんきつ》の体《てい》なのと、一方が体裁をとりつくろうことに、あわてまいと....
「中庸」より 著者:坂口安吾
方われていることも知らなかった。上長に対してやや行き過ぎの嫌いはあるが、男教員の
難詰もいわれなきことではない。余は翌日、羽生助役にこの旨を話して、応急善処をはか....
「影のない犯人」より 著者:坂口安吾
さすがに神蔭流の達人は緩急を心得ており、並木先生のように、狂六の失言に面と向って
難詰するような至らぬところがない。結局、神蔭流の極意によって、狂六はジリジリと追....
「運命のSOS」より 著者:牧逸馬
船客の眼にでも触れようものなら、女たちは眉をひそめ、紳士連は眼ざわりとして船長を
難詰するだろう。これが謂わゆる社会生活の正規の常態なら、その規約は、いま完全に逆....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
馬琴といえどもこれを知らざるはずはない。畢竟するに馬琴が頻りに『水滸』の聖嘆評を
難詰|屡々するは『水滸』を借りて自ら弁明するのではあるまいか。 だが、この両管....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ただ冷やかに、 「そして、そなたは、なにしにここへ来やったのか」 と、むしろ
難詰るようなことばでいう。武蔵は、はやく別れた生みの母になんの記憶もなかった。だ....
「三国志」より 著者:吉川英治
とておなじこと、その時はどうなさるおつもりですか」 と、さすがにやや気色ばんで
難詰った。 一夫多妻を伝統の風習としているこの民族の中では、玄徳の室など、至極....
「三国志」より 著者:吉川英治
まれて、江岸の客船まで送りとどけられた。 あとで宿老の張昭はつぶやく如く呉王を
難詰った。 「魏帝はきっと思い上がりましょうよ。いくら何でも、あのような礼物は余....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
衛が愕きを洩らした時は、もう一片の白い灰となっている。さすがの彼も少し面を変えて
難詰った。 「それがしに取っては、又なき君恩の品、唯一の家宝ともしておる物を、何....