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難路
「難路〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
難路の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
ってしまわせてなるものか。自分の恋には絶頂があってはならない。自分にはまだどんな
難路でも舞い狂いながら登って行く熱と力とがある。その熱と力とが続く限り、ぼんやり....
「オリンポスの果実」より 著者:田中英光
にも、北側の第一レインを割り当てられ、逆風と逆浪《げきろう》の最も激《はげ》しい
難路を辿《たど》らねばならず、且《か》つ、長身に伍《ご》して、短躯《たんく》のク....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
、落ちたぞオ」 「毒瓦斯がきたぞオ」 どッと、避難民の群は、崩れ立った。 避
難路の前面に、瓦斯弾が落ちたらしく、群衆は悲鳴をあげて、吾勝ちに、引っ帰してきた....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
をなつかしく思わせるのは何と皮肉であろう。だが、人が或る勝景を旅する、その当時は
難路のけわしさに旅愁ばかりが身にこたえるが、日を経ればその旅愁は却ってその勝景へ....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
知りそれへ下山、小屋二ツあり、記名をなし、なお下れば道特に悪し、本コース中第一の
難路ならん、暗くなり一層困難せり。道なきを進み疲れはてて九時頃山中へ一泊せり。 ....
「飛騨の顔」より 著者:坂口安吾
内してくれたかどうか疑わしい。なぜなら、後日山中へわけこんでロッククライミングの
難路をあえいでいるとき、それまでメモをつけておいた大事の手帳を失ってしまった。そ....
「発掘した美女」より 著者:坂口安吾
しょうか」 「カバン持ちの義務だから、ダメよ」 一夫は歯をくいしばって一キロの
難路を歩かなければならなかった。ロマンチック用の食糧を山とつみこんだリュックだか....
「町内の二天才」より 著者:坂口安吾
。日に五|哩も駈けてるぞ。それも遊び半分に駈けてるんじゃなくて、わざと坂道の多い
難路を選んでアゴをだすほど猛烈に力走して腰を鍛えているのだな。キサマも、それをや....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
れ 石川淳を知らねえか ついに意を決してクラヤミのトンネルをくぐりぬけ、二里の
難路を突破して、一命無事に伊豆多賀の里に辿り着くことができた。古に三蔵法師あり。....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
スミと共に他に先立ちてすみやかに帰国のかないたるは梅之介の罪ほろぼしにや。されど
難路の疲れなるべし。帰国まもなく病を得て死せり。スミは叔母梅沢梅子に育てられ今日....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
って鏡花先生の高野聖時代さ。交通文明というものに完璧に見すてられている山また山の
難路なのである。ところが昔の神々は目のつけ場所がちがう。ここが日本で一番早くひら....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
る。手も足もかけ場に窮して、一息でも気力を失うと墜死するところでした。 こんな
難路とは知りませんから、豪雨の直後という悪条件を考慮に入れる要心も怠り、特別な用....
「たぬき汁」より 著者:佐藤垢石
高峯山となり、その裾を熊野灘に浸そうとする肩の辺にあってなお標高二千五百尺。随分
難路を重ねた高い峠だ。 大台ヶ原を中心とした深い天然林は、昔から猪の産地で、こ....
「淡紫裳」より 著者:佐藤垢石
かった。目指すところは天仙台と、天女の化粧壺である。内地のどこかに胸突八丁という
難路があるが、そんな道は愚かである。約一里の道が、ことごとく爪先上りだ。雪橋の下....
「雪の透く袖」より 著者:鈴木鼓村
四隣に充ちている候であった、殊にこの地は東北に師団を置きて以来、吾々が初めて通る
難路のことであるから、一層に吾々の好奇心を喚起したのであった。第一、この会津地方....