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難関
「難関〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
難関の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
へ眼を移すと、それでもちょいと眉をひそめて、「つまり君が目的を達するにゃ、三重の
難関がある訣だね。第一に君はお島婆さんの手から、安全にだね、安全にお敏さんを奪い....
「或る女」より 著者:有島武郎
なかった。始終腹の底に冷静さを失わないで、あらん限りの表情を勝手に操縦してどんな
難関でも、葉子に特有なしかたで切り開いて行くそんな余裕はその場にはとても出て来な....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
片、堆石の疾走――みるみるケルミッシュに絶望の色がうかんでくる。
すると、この
難関をあくまで切り抜けて、ぜひ魔境に入り九十九江源地《ナブナテイヨ・ラハード》の....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
けて来るらしいものは何にもなかった。 三 最初僕はこの上海に上陸することが一番
難関だと思っていた。そしてたぶんここで捕まるものとまず覚悟して、捕まった上での逃....
「火星探険」より 著者:海野十三
同の乗った宇宙艇はいよいよ火星に近づき、その引力圏内に入った。それはいいが第一の
難関がやってきた。それは宇宙塵圏のことである。本艇は果してこの危険圏を安全に通り....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
」 「そうかね」 「あと十日も経てば、重力平衡圏へ入る筈だ。地球出発以来、最初の
難関にぶつかるわけだ」 魚戸は、得意になって語る。 「重力平衡圏て、どんなとこ....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
してあった。 山岸中尉の処置よろしかったために、彗星二号艇の乗組員は、さしもの
難関を突破して、ふしぎに白昼の地上に着いた。しかし艇は着陸にあたって大破炎上した....
「火星兵団」より 著者:海野十三
の人間が乗れるだけである。
「だから先生、この際地球の人類は、自分だけの力でこの
難関を切りぬけようとしてもだめですよ。わが火星の力がなくては、地球人類の生命は、....
「太平洋雷撃戦隊」より 著者:海野十三
声がしました。 その電話は、×を控えて、二分間ほども続きました。その間に、この
難関を切りぬける作戦がまとまりました。 「それでは――」と司令官は電話機の彼方か....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
。「これ竹帛に著す」ことから言えば、この一篇の文章が皮切であるから、まず、第一の
難関にぶつかるのである。わたしはつくづく考えてみると、阿 Quei は、阿桂ある....
「虫喰い算大会」より 著者:海野十三
書き改める。これで大分明るくなった。 いや、まだ安心するのは早い。前途にどんな
難関が横たわっているか分らない。 Q1N ______ 1ML....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
気狂いはいる筈がない。 係長は、いままで鼻の先であしらっていたこの事が、意外な
難関に行き当ってしまうと、もうまるで糸の切れた凧のようにアテもなくうろたえてしま....
「旅客機事件」より 著者:大庭武年
と自白して、五万円の金額を提出したそうです」 「うむ!」検事は頷いた、池内の顔も
難関が取り除かれたように釈然と明るくなった。途端、卓上電話のベル。 「ああそう」....
「穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
名しておく。 櫓の下より東に向いて、数十丈の嶮崖を下らねばならぬ、ここが第一の
難関、相悪く大降り、おまけに、横尾谷から驀然吹き上ぐる濃霧で、足懸りさえ見定めか....
「今日になるまで」より 著者:上村松園
様に口惜しいことやら、悲しい事やら幾つあったか知れません。幾つも幾つも、そういう
難関を突破して来て、今すべてが、打って一丸となって、それが悉く芸術に浄化せられて....