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雨間
「雨間〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
雨間の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
すこし吹いて、橋の損所や舞台の屋根を修繕するために村じゅう一軒に一人ずつは出た。
雨間というものがすこしもなく、雲行きは悪く、荒れ気味で安心がならなかった。村には....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
らぬ。畑勝ちの村では、田植は一仕事、「植田をしまうとさば/\するね」と皆が云う。
雨間を見ては、苅り残りの麦も苅らねばならぬ。苅りおくれると、畑の麦が立ったまゝに....
「ほととぎす」より 著者:堀辰雄
すこし晴れて、どことなく薄月のさしているような晩だった。 きょうはひさしぶりの
雨間に、さっきから頭の君が道綱のところに来ていられたようだったが、そのうち知らな....
「かげろうの日記」より 著者:堀辰雄
と、もうそれは二三本傾いてしまっていた。早く元のようにしてやりたいと思いながら、
雨間《あまま》を待っているうちに、しかしこう云う自分だって、何時その行末はこんな....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
新鮮な牧場、大きな翼の燕《つばめ》や鳩《はと》の群れが飛んでる澄みわたった空気、
雨間を貫く日光の楽しさ、雲間に笑う輝いた空、夕の厳《おごそ》かな清朗さ、森や家畜....
「古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
は『万葉集』は証拠を見せてくれない。光明后宮の維摩講に唱われた仏前唱歌「しぐれの
雨間無くな降りそ紅ににほへる山の散らまく惜しも」のごときは、仏に対する感情が全然....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
だったのである。実例はいくらもあるが一つ挙げて見ると、『万葉集』巻八に、 時雨の
雨間なくな降りそ紅に匂へる山の散らまく惜しも という歌がある。これは天平十一年冬....