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雨雪
「雨雪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
雨雪の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
川は彼の洗濯場で、また彼の浴槽であった。
冬は惨だ。小屋かけ、木賃宿、其れ等に
雨雪を凌ぐのは、乞食仲間でも威張った手合で、其様な栄耀が出来ぬやからは、村の堂宮....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
てオダルの港を出た。
霧は剥《は》ぐように消えた。海は紺色にどろりとしていた。
雨雪の多い西|蝦夷《えぞ》の空にとって、奇蹟のような小春日和があらわれたのである....
「伊吹山の句について」より 著者:寺田寅彦
屋 三〇、二 すなわち、伊吹山は敦賀には少し劣るが、他の地に比べては、著しく
雨雪日の数が多い、名古屋などに比べると、倍以上になるわけである。冬季三か月間、九....
「日本人の自然観」より 著者:寺田寅彦
が腐るのに、田舎の旧家には百年の家が平気で立っている。ひさしと縁側を設けて日射と
雨雪を遠ざけたりしているのでも日本の気候に適応した巧妙な設計である。西洋人は東洋....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
意に出来るけれど、好い大将である、仁義の人であると思われようとする場合には、寒風
雨雪の夜でも押切って宿舎する訳には行かない。憎いとは思いながらも、非常の不便を忍....
「雁」より 著者:森鴎外
てば容易く手に入ると知っても、それを待つ余裕が無い。女は暑さをも寒さをも夜闇をも
雨雪をも厭わずに、衝動的に思い立って、それを買いに往くことがある。万引なんと云う....
「手紙 四」より 著者:宮沢賢治
こま》ってしばらくもじもじしていましたが思い切ってもう一ぺん云《い》いました。「
雨雪《あめゆき》とって来てやろか。」「うん。」ポーセがやっと答えました。チュンセ....
「魔像」より 著者:林不忘
の材料をはじめ庖丁|俎板《まないた》まで仕込んである。花月《かげつ》の夜《よ》、
雨雪風流《うせつふうりゅう》の窓《まど》にこれをひらいて、たちまち座を賑わそうと....
「学校の説」より 著者:福沢諭吉
押えどころなき学問にはあらず。物の性と物の働を知るの趣意なり。日月星辰の運転、風
雨雪霜の変化、火の熱きゆえん、氷の冷《つめた》きゆえん、井を掘りて水の出ずるゆえ....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
を有する西洋市街の列に加わる事も出来ない。さればこの中途半端の市街に対しては、風
雨雪月夕陽《ふううせつげつせきよう》等の助けを借《か》るにあらずんば到底芸術的感....
「山の人生」より 著者:柳田国男
小さな獣の皮に、木の葉などを綴って着たという。 ただ一つ難儀であったのは、冬の
雨雪の時であった。岩の窪みや大木のうつろの中に隠れていても、火がないために非常に....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
石川・富山のエンナカと同様に、炉側のことではないかと思う。人が家にいるのは夜分か
雨雪の日であり、家で明るい暖かい所は、炉端であったことを考えてみなければならぬ。....
「年中行事覚書」より 著者:柳田国男
じていたかと思われる。まだ実地に確かめてはいないのだが、この風は多分船路に便な、
雨雪を伴わない晴れの風であったろう。 ところが鳥取県の八頭郡などで、神返しとい....