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「雪の膚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

雪の膚の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
、と思った。……顔馴染《かおなじみ》の濃い紅《くれない》、薄紫《うすむらさき》、雪の膚《はだえ》の姉様《あねさま》たちが、この暗夜《やみのよ》を、すっと門《かど....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ほうの、まっかな顔をしてうつむいている、そこの美しい女の子の、命よりもたいせつな雪の膚をちょうだいしたんですよ」 貞操との交換といったそのひとことには、がらっ....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ふらしていらっしゃるが、日ごろ偉そうなことをおっしゃって、だんなもあのべっぴんの雪の膚を見てから、脳のかげんがちっとおかしくなったんじゃござんせんかい」 「やか....
春昼」より 著者:泉鏡花
うに婀娜なと言うて、水道の水で洗い髪ではござらぬ。人跡絶えた山中の温泉に、唯一人雪の膚を泳がせて、丈に余る黒髪を絞るとかの、それに肖まして。 慕わせるより、懐....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ずだと教えられて髪の毛がニューッと逆さに立った」 「うむ、うむ」 「角が二本……雪の膚《はだえ》にはみるみる鱗《うろこ》が生えて、丹花《たんか》の唇は耳まで裂け....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
さらと、風が吹きますと、揺れながらこの葦簀の蔭が、格子|縞のように御袖へ映って、雪の膚まで透通って、四辺には影もない。中空を見ますれば、白鷺の飛ぶような雲が見え....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
……この熊漢の前に、月からこぼれた白い兎、天人の落し児といった風情の、一束ねの、雪の膚は、さては化夥間の雪女であった。 「これい、化粧が出来たら酌をしろ、ええ。....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
声の艶に媚かしいのを、神官は怪んだが、やがて三人とも仮装を脱いで、裸にして縷無き雪の膚を顕すのを見ると、いずれも、……血色うつくしき、肌理細かなる婦人である。 ....
南地心中」より 著者:泉鏡花
下を装束くにも、支度の夜は丑満頃より、女紅場に顔を揃えて一人々々|沐浴をするが、雪の膚も、白脛も、その湯は一人ずつ紅を流し、白粉を汲替える。髪を洗い、櫛を入れ、....
縁結び」より 著者:泉鏡花
手にしめた帯腰|柔に、膝を入口に支いて会釈した。背負上げの緋縮緬こそ脇あけを漏る雪の膚に稲妻のごとく閃いたれ、愛嬌の露もしっとりと、ものあわれに俯向いたその姿、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
さしつかえなかろうと思われる)その左の一面に賛《さん》をして、「こちら向かんせ、雪の膚《はだえ》が見とうござんす」というようなたわごとが書いてある。 その次に....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
しや、夢の恐怖に悶えしや、紅裏の絹の掻巻、鳩尾を辷り退いて、寝衣の衣紋崩れたる、雪の膚に蚊帳の色、残燈の灯に青く染まって、枕に乱れた鬢の毛も、寝汗にしとど濡れた....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
むしろ野三昧の人足の方が増かも知れない。いわんや、亡者を焼く烈々たる炎には、あの雪の膚が脂を煮ようものを。朱唇に煉炭を吹こうものを。―― 私にしても仮にこの雪....