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「雪国〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

雪国の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
日光小品」より 著者:芥川竜之介
を透《とお》してなごりなく望まれた。 いつだったかこんな話をきいたことがある。雪国の野には冬の夜なぞによくものの声がするという。その声が遠い国に多くの人がいて....
朱日記」より 著者:泉鏡花
も半ば、と申すに、北風のこう烈しい事は、十年|以来にも、ついぞ覚えませぬ。いくら雪国でも、貴下様、もうこれ布子から単衣と飛びまする処を、今日あたりはどういたして....
寒の夜晴れ」より 著者:大阪圭吉
知らない。ただ明るい立派な青年で、大学のスキー部に籍を置いていて、毎年冬になると雪国の従姉のところへやって来ることだけは知っていた。全くH市の郊外では、もう十二....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
たのですが、前の晩から大雪がふり出してたちまちに二尺ほども積もってしまいました。雪国ですから雪に驚くこともありません。ただそのままにしておいてもよいのですが、せ....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
て)おい、水があるか、蘆の葉の前に、櫛にも月の光が射して、仮髪をはずした髪の艶、雪国と聞くせいか、まだ消残って白いように、襟脚、脊筋も透通る。……凄いまで美しい....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
。 撫でつけの水々しく利いた、おとなしい、静な円髷で、頸脚がすっきりしている。雪国の冬だけれども、天気は好し、小春日和だから、コオトも着ないで、着衣のお召で包....
星女郎」より 著者:泉鏡花
引越しまして、袖無しのちゃんちゃんこを、裄の長い半纏に着換えたでござります。さて雪国の山家とて、桁梁厳丈な本陣|擬、百年|経って石にはなっても、滅多に朽ちる憂は....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
十八・四一三四〕 大伴家持 天平勝宝元年十二月、大伴家持の作ったもので、越中の雪国にいるから、「雪の上に照れる月夜に」の句が出来るので、こういう歌句の人麿の歌....
雪霊続記」より 著者:泉鏡花
尾根に近かった、あの可恐い雲の峰にそっくりであります。 この上、雷。 大雷は雪国の、こんな時に起ります。 死力を籠めて、起上ろうとすると、その渦が、風で、....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
た。その後、何か欲しいというと、「垂氷とどっちだ」と、よく笑いぐさにされました。雪国の越後などでは、その垂氷を「かなッこおり」といって、いたずらな子供が手拭で捲....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
ンをゆでころばしたようには見えないで、黒奴が珊瑚畑に花を培う趣がある。――ここは雪国だ、あれへ、ちらちらと雪が掛ったら、真珠が降るように見えるだろう。 「七分じ....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
る傍に、千客万来と記した角行燈を懸けて、暖簾に柳屋と染め抜いた小料理屋があった。雪国の習で、板葺の軒は低く、奥の方は昼も薄暗い。 安行|父子が今やここの門を通....
贋物」より 著者:葛西善蔵
、かなり感動を受けた。 ちょうど三月の下旬にはいっていた。が乗客はまだいずれも雪国らしいぎょうさんな風姿をしている。藁沓を履いて、綿ネルの布切で首から頭から包....
春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
、雪を掘り上げた擂鉢の底のような所に、淋しく設けられているのはいっそう物哀れだ。雪国では葬式も容易でない。 新庄以北、釜淵・及位あたり、山手にかかっては雪がま....
猪の味」より 著者:北大路魯山人
枚に似て小味である。もちろん、この野生動物は脂の乗る冬が美味い。また大雪の積もる雪国に産するものがよい。伊豆天城あたりでも大分獲れるが、脂が少なくて味も悪い。仔....