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雪山
「雪山〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
雪山の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
った。牧牛の女難陀婆羅、世尊に乳糜を献じ奉る、――世尊が無上の道へ入られるには、
雪山《せつざん》六年の苦行よりも、これが遥かに大事だったのじゃ。『取彼乳糜《かの....
「星座」より 著者:有島武郎
多かった。園は念を入れてその一字一句を読みはじめた。
「皚々《がいがい》たる白
雪山川を封じ了んぬ。筆端のおのずから稜峭《りょうしょう》たるまた已《や》むを得《....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
号は発狂したのであろうか。発狂したとしたら、何故発狂したのか。そして何故にこんな
雪山の上に巨体を横たえるようなことになったのであろうか。不思議である。奇抜すぎる....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
幕内の温度零下五十二度。嚢内からはく呼吸は毛皮に凍結し、天幕のなかは一尺ばかりの
雪山だ。すると突然、エスキモーの“E-Tooka-Shoo”が死んだような状態に....
「雪魔」より 著者:海野十三
そのときであった。とつぜん四、五発の銃声が聞えた。どどん、どんどんと、はげしく
雪山に響いた。音のしたのは、どうやら峯のあたりである。 「銃声だ。どうしたんだろ....
「千早館の迷路」より 著者:海野十三
を当らせたんです。要点は、池上侯爵家からの依嘱により、“もしや四方木田鶴子があの
雪山で古神子爵を雪崩の中に突き落としたのではないか”を明らかにするためだったので....
「氷河期の怪人」より 著者:海野十三
を入ると、戸口が見える。その戸口もあいていた。そして、あけかかった空を背にして、
雪山がひどくかたむいていた戸口までいくと、はっきり事情がわかった。なるほど、ヤヨ....
「未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
で、一郎はまだぐうぐうねむっている小田さんをゆすぶり起して、外へ出た。線路の横の
雪山のうえにのぼると、除雪車が黒煙《こくえん》をあげつつ、近づくのが見えた。ロー....
「百喩経」より 著者:岡本かの子
まではまだ二三町あった。さいわい黍畑は続いて居た。はるかに瑠璃色の空を刻み取って
雪山の雪が王城の二つ櫓を門歯にして夕栄えに燦めいて居た。夢のような行列はこれ等の....
「清心庵」より 著者:泉鏡花
大倭文庫の、御台様さね。つまり苦労のない摩耶夫人様だから、大方|洒落に、ちょいと
雪山のという処をやって、御覧遊ばすのであろう。凝ったお道楽だ。 とまあ思っちゃ....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
一 層雲峡の偉観 富士山に登って、山岳の高さを語れ。大
雪山に登って、山岳の大さを語れ。 大
雪山は北海道の中央に磅※して、七、八里四方....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
さ一丈五、六尺から二丈位の樹があるだけでその外には灌木しかございませぬ。そういう
雪山の中を五、六里ばかり参りますとキルンという小村がありますが、その村には柳の樹....
「西航日録」より 著者:井上円了
氏、和歌をもってその一斑を模して曰く、 喜麻拉亜の虎が岡なる朝ぼらけひかる雲間に
雪山を見る 余、幼学詩韻的詩をもってこれに和す。 鶏声残月暁天晴、霞気浮紅日欲....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
ごとく知らぬがごとく淡々として無為なのも彼らである。 さて、私は一人の倭人が、
雪山のように高い、白い白い破損紙の層を背に負って、この大伽藍の中を匍うように動き....
「春の大方山」より 著者:木暮理太郎
プスの山々を展望するに最も適した場所であると思われるから、これに登って純白に輝く
雪山の壮観を飽まで恣にしたというのが、此旅行の主なる目的であったのである。 宮....