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「雪景〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

雪景の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
寒さ」より 著者:芥川竜之介
世の中はよっぽど楽になるんだが。」 保吉は長ながと足をのばし、ぼんやり窓の外の雪景色を眺めた。この物理の教官室は二階の隅に当っているため、体操器械のあるグラウ....
仙人」より 著者:芥川竜之介
後《あと》までも残っていました。何でも淀屋辰五郎《よどやたつごろう》は、この松の雪景色を眺めるために、四抱《よかか》えにも余る大木をわざわざ庭へ引かせたそうです。 (大正十一年三月)....
或る女」より 著者:有島武郎
おさらきれいですわ」 葉子は岡を二階に案内して、そこのガラス戸越しにあちこちの雪景色を誇りがに指呼《しこ》して見せた。岡は言葉|少《すく》なながら、ちかちかと....
星座」より 著者:有島武郎
小ゆるぎもしなかった。一種の勇気をもってその五体は波打った。彼の眼に映る大通りの雪景色は、その広さと潔《いさぎよ》さにおいて彼の心に等しかった。夜の闇が逼《せま....
雪の塔」より 著者:海若藍平
かつ》ぎ上げて、雪の塔の絶頂に登りました。 ここは屋根も何も無い広場で、四方の雪景色が一|眼《め》に見渡せます。もうすっかり雪が晴れて、空にはダイヤモンドを数....
河明り」より 著者:岡本かの子
て、眼の前見渡す雪は、私が曾て他所の諸方で見たものと違って、やはり、東京の濠川の雪景色であった。 小店員が入って来て、四五通の外文の電報や外文の手紙を見て呉れ....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
明るい、秘蔵子の健ちゃんであったと思う。 さて続いて、健ちゃんに、上野あたりの雪景色をお頼み申そう。 清水の石磴は、三階五階、白瀬の走る、声のない滝となって....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
睨んでいたが、「きちがい雪の寒いことわ」 「……雪の夜半、雪の夜半……」あるじは雪景色を眺めていた。 「よい上の句が出ないと見える」 「よい打ち手がめつからぬと....
多神教」より 著者:泉鏡花
の扉、両方にさらさらと開く、赤く輝きたる光、燦然として漲る裡に、秘密の境は一面の雪景。この時ちらちらと降りかかり、冬牡丹、寒菊、白玉、乙女椿の咲満てる上に、白雪....
『七面鳥』と『忘れ褌』」より 著者:佐藤垢石
ことでご座ります』 役僧がお札を差し出すと、それを受けとりながら、 『ご境内の雪景色は一入ですな。ご無心で甚だご迷惑と存ずるが、せっかく参詣致したついでに、ち....
荒蕪地」より 著者:犬田卯
なら一日五円にはなるぜ。」 そして、儀作にはかまわず、運転手を促して、すうっと雪景色の中へ行ってしまった。 儀作は歯ざれのいいその弁舌――その快調にすっかり....
雪柳」より 著者:泉鏡花
らしい――白山を訪ねた尼の帰ったあとで、私は、庭の卯の花を見ながら、江戸の名画の雪景色を可懐しく思ったことは、いうまでもありません。 ――お聞き下さるようだか....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
三日で融けてしまう。その雪も一尺以上積もるということは稀です。ですからその綺麗な雪景色も長く見て居ることはもちろん出来ない。地方へ行けばいつまでも雪の積って居る....
西航日録」より 著者:井上円了
殊にさやけく見ゆる月哉 十八日午後、河口氏とともにカルカッタを発し、ヒマラヤの雪景を見んと欲し、ダージリン(Darjeeling)に向かい、夜に入りて恒河を渡....
金山揷話」より 著者:大鹿卓
り途だったが、長万部の駅で偶然森山君や中野君と落ち合ったよ」 土田は窓を掠める雪景色から私の方へ目を移して、煙草で荒れた舌を気にするような口つきをしながらそん....