雪花[語句情報] » 雪花

「雪花〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

雪花の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
ざ言問わんまでもなく鄙《ひな》にも知られ都鳥の其の名に高く隅田川《すみだがわ》月雪花《つきゆきはな》の三《み》つに遊ぶ圓朝《えんちょう》ぬしが人情かしら有為転変....
爬虫館事件」より 著者:海野十三
「それア相当なもんですなア」と副園長が横合から云った。 「馬鈴薯、甘藷、胡羅蔔、雪花菜、※、藁、生草、それから食パンだとか、牛乳、兎、鶏、馬肉、魚類など、トラッ....
狂乱」より 著者:近松秋江
った。十二月の初旬のころでところどころ薄陽の射している陰気な空から、ちらりちらり雪花が落ちて来た。それでも私は両手に重い物を下げているので、じっとり肌に汗をかき....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
ら、小学校|中の子供が門口に押し合うて不思議な現象を眺めて居た。彼の好物の中に、雪花菜汁がある。此洋服着て、味噌漉持って、村の豆腐屋に五厘のおからを買いに往った....
古狢」より 著者:泉鏡花
もの寂しさは、もの寂しい…… 話はちょっと前後した――うぐい亭では、座つきに月雪花。また少々|慾張って、米俵だの、丁字だの、そうした形の落雁を出す。一枚ずつ、....
妖僧記」より 著者:泉鏡花
涙の今なお双頬に懸れるを光陰の手も拭い去るあたわざるなりけり。 読書、弾琴、月雪花、それらのものは一つとして憂愁を癒すに足らず、転た懐旧の媒となりぬ。ただ野田....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
も見ることはできないので、ただ霏々《ひひ》として降り、繽紛《ひんぷん》として舞う雪花《せっか》を見るのみであります。 白いものの極は畢竟《ひっきょう》、黒いも....
小公女」より 著者:菊池寛
しょう。」 セエラは夢の中の人のように、幸福そうな微笑をたたえながら、石鹸皿を雪花石膏の水盤に見たてて、薔薇の花を盛りました。それから毛糸を包んだ紅白の薄紙で....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
アと今ごろ(!)気がついて、ルーズリーフをつかって、それをはずしてファイルして月雪花からあらゆることを整理しておこうと思いついたのです。よんだものについてのメモ....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
いのでした。彼女の寝ている姿は、巧みな彫刻家が女王の墓の上に置くために彫りあげた雪花石膏の像のようでもあり、または静かに降る雪に隈なくおおわれながら睡っている少....
吹雪のユンクフラウ」より 著者:野上豊一郎
仰ぎながら、富士より三九〇米高く、新高より二一六米高いその俊峰を卍《まんじ》巴の雪花の中に見失い、しばらく償われない気持で立ちつくした。 それから案内人に導か....
水仙月の四日」より 著者:宮沢賢治
ぐに四方に発射し、下の方に落ちて来ては、ひっそりした台地の雪を、いちめんまばゆい雪花石膏《せっかせっこう》の板にしました。 二|疋《ひき》の雪狼《ゆきおいの》....
海豹島」より 著者:久生十蘭
念にかきたてられ、窓のそばへ走って行って、薄光りする窓ガラスに顔をうつして見た。雪花をつけて凍《し》みあがったガラスの面に浮かびあがったのは、まさしく膃肭獣の顔....
新西遊記」より 著者:久生十蘭
が膨れ、心臓が口からとびだしそうになる。雪を含んだ烈風が真向に吹きおろし、睫毛に雪花がついて眼がふさがってしまう。帽子の耳蔽のなかで呼気《こき》が凍って氷殻がで....
上野」より 著者:永井荷風
メグ》ル。満湖悉ク芙蓉ニシテ※々タル楊柳ハ緑ヲ罩ム。雲山烟水実ニ双美ノ地ヲ占メ、雪花風月、優ニ四時ノ勝ヲ鍾《アツ》ム。是ヲ東京上野公園トナス。其ノ勝景ハ既ニ多ク....